オーストリアのリンツで開催されるアルスエレクトロニカは、芸術、先端技術、文化の祭典で、メディアアートのイベントとしては世界最大級の規模を誇る。9月7〜11日に開催されるアルスエレクトロニカ 2022のSTARTS(Innovation at the Nexus of Science, Technology, and the ARTS)部門にて、株式会社ZOZO NEXTが東京大学筧康明研究室、株式会社 細尾とともに共同開発した「Ambient Weaving」がHonorary Mention(栄誉賞)を受賞し、出展することに。「Ambient Weaving」とは一体どんなものなのか。ZOZO NEXTでこのプロジェクトを担当する中丸啓氏に話を聞いた。
西陣織の伝統工芸技法に先端のテクノロジーを組み合わせ、環境情報を表現する織物、環境そのものが織り込まれた織物をコンセプトとし、周囲の環境情報と織物を媒介する様々な機能と美を両立させた体験の拡張を試みた「Ambient Weaving」。アルスエレクトロニカ 2022では3つの作品が展示される。
伝統工芸と最新テクノロジーが融合
「ひとつは熱によって色が変わるロイコ染料を用いた“Wave of Warmth”という作品になります。温度という目に見えない環境情報が、織物を通して可視化されるということになります」