ZOZOグループで初めてのテキスタイル開発であるProject Foil。株式会社 細尾ならびに東京大学大学院情報学環 筧康明研究室と共に取り組んだ「機能性と美を両立する新規テキスタイルの開発に関する共同研究」においては、伝統工芸と先端素材およびインタラクション技術を組み合わせた作品が生み出された。現在、開催中の成果展示「Ambient Weaving ── 環境と織物」 では、環境温度による色彩の変化、コンピュータ制御による 有機ELを織り込んだ生地の発光、紫外線照射による硬化など、5つの作品が公開されている。
このように伝統と先駆的技術を掛け合わせるプロジェクトは、いかにして実現したのか。 この試みの意味、そして、その先にある未来とは?今回は株式会社細尾 代表取締役社長・細尾真孝氏、東京大学大学院情報学環准教授・筧康明氏、そして株式会社ZOZOテクノロジーズ 代表取締役CINO・金山裕樹による鼎談から、このプロジェクトを導いた思想に迫っていく。
PROFILE|プロフィール
細尾 真孝
株式会社細尾 代表取締役社長
MITメディアラボ ディレクターズフェロー 1978年、元禄元年(1688年)より京都で西陣織を手がける細尾家に生まれる。「工芸が未来をつなぐ」の哲学のもと、伝統的なきもの文化の継承と、西陣織の技術・素材をベースにしたラグジュアリーテキスタイルを展開。布を通じた美を追い求める事業を担う。
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筧 康明
研究者、メディアアーティスト。東京大学大学院情報学環准教授。博士(学際情報学)。 物理素材特性を活かすインタラクティブメディアの研究を軸に、Ars Electronica、YCAM等での作品展示を展開する。科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞、第23回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞等を受賞。
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金山 裕樹
株式会社ZOZOテクノロジーズ 代表取締役CINO(Chief Innovation Officer ) ファッションアプリ「IQON」(アイコン)を運営する株式会社VASILYを創業後、2017年10月に「ZOZOTOWN」 を運営する株式会社ZOZOに売却。現在は株式会社ZOZOテクノロジーズのイノベーション担当代表取締役として、ZOZO研究所の発足などR&Dと新規事業の創造を行なっている。
プロジェクトの挑戦価値
ZOZOテクノロジーズがテキスタイル開発に挑む理由
金山我々はZOZOという(プライベート)ブランドで服を作っていた時期があったので、(このプロジェクトは)その時に始まったプロジェクトです。ZOZOが服を作るのであれば誰も見たことのないような、誰もが驚くようなもの、「ソウゾウノナナメウエ」をいくようなものを作りたいと思った時に、デザインとかではないなという風に思ったんです。