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2023.04.17

リアルではできない体験をメタバースで――クラスターとカネボウ化粧品によるメタバース空間「ALLIE BEAUTY UP ISLAND~みんなで美しくなる島~」

国内最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を運営しているクラスター株式会社が3月1日、株式会社カネボウ化粧品のブランド「ALLIE」と協働で、メタバース空間「ALLIE BEAUTY UP ISLAND~みんなで美しくなる島~」をclusterにオープンした。
同ブランドは、環境への取り組みとして「Think Sustainability Action」を推進していることから、メタバース内では商品の展示・紹介・購入の他に、バーチャル空間上でゴミ拾い体験ができる。
そこで、今回の企画を担当したクラスター株式会社の亀谷拓史さんに、カネボウ化粧品と協業をした経緯や目的、この1カ月の反響、今後の展開などを聞いた。

カネボウ化粧品と協業した経緯

クラスター調べによると、「ALLIE BEAUTY UP ISLAND~みんなで美しくなる島~」は、世界初の化粧品ブランドによる、常設のメタバース空間になっているという。なぜ、カネボウ化粧品と協業が実現することになったのだろうか。
「弊社の事業はおもに2つありまして、1つ目は誰でもメタバース空間が作れて遊べるCtoCのメタバースのプラットフォーム開発・運営です。
そして、もう1つがBtoB事業です。法人向けにメタバース空間やイベントの企画制作・運営までワンストップで納品できる体制を整え、企業・法人と一緒にメタバース事業を展開しています。
今回カネボウさんからは、リアルでビジネスを展開しながら、『リアルだと実現できない・体験できないことをメタバース空間の中に持っていきたい』という想いがあり、取り組みがスタートしました
そこで、リアルの世界とメタバースの世界の『ハイブリッド企画』を実施することにしました。
具体的な企画としては、大きく2つあります。第一に、バーチャル空間上でゴミ拾い体験ができる『バーチャルビーチクリーン活動』が挙げられます。
ハワイやヴァージン諸島など一部の国・地域・ビーチでは、日やけ止めの持ち込みや販売などを制限しています。
カネボウさんの日やけ止めブランド『ALLIE』は、水環境に配慮した設計の『ビーチフレンドリー処方』を採用するとともに、海岸のゴミ拾いなど環境保全につながる活動をしています。
製品は環境に配慮した成分で作られていて、海をきれいにする活動もしているわけですが、多くのユーザーさんは、カネボウさんの想いを理解してリアルで活動に参加するのは難しいですよね。
そうした事情を踏まえ、『ALLIE BEAUTY UP ISLAND~みんなで美しくなる島~』内で、『バーチャルビーチクリーン活動』として提供しました。
第二に、実際のパッケージや商品を3Dで立体的に表現し、実際に商品を購入するまで導線をつなげる企画も実施しており、メタバース空間の中で商品を展示・紹介しています」

メタバースの活用で生まれる効果

それでは、こうしたcluster内での企画を活用することで、カネボウ側はどんな効果を期待しているのだろうか。
「1つは先程お伝えした、リアルでは体験してもらうことが難しい企業としての取り組みに、メタバース空間の中では気軽に参加してもらえるようになることです。
さらに、ゴミ拾いに関して、メタバースだと『誰がゴミをどれくらい拾ったか』というデータが実際に取得できます。そのため、『メタバース空間で拾われたゴミの数だけリアルのゴミも拾う』という形で、リアルの海もきれいにする仕組みになっています。メタバースからリアルへのフィードバックがある企画になっており、グローバルで見ても珍しいと思います。
これにより、ユーザーさんがブランドに対して主体的に関われるようになり、理解も生まれる仕組みです。商品を購入する手前の段階における『もっと商品について知ってもらう、ブランドを好きになってもう』という部分に関して、メタバースは親和性が非常に高いのではないかと思います。
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