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2022.09.29

AIも搭載!「スキンケアシェービング」という新しい美容習慣をつくる、 テクノロジー満載の最新シェーバー

男性にとっては毎日のルーティンであり、エチケット、身仕度に欠かせないヒゲ剃り。そんなヒゲ剃りに「美顔」「うるおい」の概念を取り入れた新発想のシェーバー、その名も「スキンケアシェーバー」が今、話題になっている。
 
「肌にやさしいシェービング」を基本コンセプトに掲げて2021年に発売されたパナソニックの「スキンケアシェーバー ラムダッシュ ES-MT21」は、スキンケア機能が初搭載され注目を集めた。そして、そのニューモデルである「ES-MT22」が2022年9月に発売。さらなる進化を遂げている。
 
数多くあるシェーバーの中でも、今までにない視点とテクノロジーでイノベーションを起こしている「スキンケアシェーバー」の開発の裏側を探ってみよう。

スキンケアシェーバー ラムダッシュ「ES-MT21」に詰め込まれたテクノロジーとは?

数多くある電気シェーバーの中でも、確固たるブランドを確立している「ラムダッシュ」。その製品たちは、シェービングに常に求められてきた「深剃り」と「肌へのやさしさ」へのこだわりとともに開発されてきた。
 
「そもそも2002年発売のラムダッシュ初号機においても、肌に密着して優しく剃れる『全方位フロートヘッド』を搭載し、以降も常に肌への優しさを追求し続けています」
 
同ブランド、そして「スキンケアシェーバー」の商品企画を担当するパナソニック商品企画部・池田建太さんが開発の経緯を語ってくれた。
 
「シェービングは肌を傷めるものというのが当たり前に捉えられている中で、マイナスをゼロに近づけるものではなく、使えば使うほど肌がきれいになるシェーバーを作りたいというのが、『スキンケア機能を搭載する』という発想の起点にありました。さらに、主に女性向けに展開していた導入美顔器『イオンエフェクター』の技術をメンズシェーバーに融合させることができるのではないか? という仮説のもとに、新しいシェーバーの開発・検討がスタートしました」
Panasonic Beauty のイオン美顔器「イオンブースト EH-ST99」。この人気機種に採用されている技術をシェーバーと融合させるべく、開発がスタートした
Panasonic Beauty のイオン美顔器「イオンブースト EH-ST99」。この人気機種に採用されている技術をシェーバーと融合させるべく、開発がスタートした
そのようにして、初代スキンケアシェーバー「ES-MT21」の開発は始まった。
 
一見すると相反するようにも思われる「シェービング」と「スキンケア」を融合する、というコンセプト。やはり、それを成立させるためには多くの時間と研究を重ねたのだと言う。
 
「当時、シェーバーの開発陣にはスキンケアの技術・知見を持っているメンバーがほぼいなかったため、イチから理解する必要がありました。『Panasonic Beauty』商品のエンジニアにアドバイスを依頼しながら、男性向けの効果目標や測定方法をどうすべきかをプロジェクトメンバーで議論を重ね、探索的に検討と実証を何度も繰り返しました」
 
美容家電のトップブランド「Panasonic Beauty」が持つ知見をキャッチアップできる同社ならではの技術連携が、これまでのシェーバーにはなかったまったく新しい発想をカタチにする上では欠かせなかった。

新開発の「イオンプレート」を搭載する、という発想へ

革新的な機能を持つ「イオンプレート」(写真手前側にある長方形のプレート)の搭載は容易ではなかったという。そこには形状などの数多くのトライアル&エラーが
革新的な機能を持つ「イオンプレート」(写真手前側にある長方形のプレート)の搭載は容易ではなかったという。そこには形状などの数多くのトライアル&エラーが
「ヒゲを剃る」ためのシェーバーに、まったく別の機能を持つ「イオンプレート」を搭載する。その新しいチャレンジに向け、プレートの開発がスタートした。
この「イオンプレート」はヘッド部に搭載され、肌に接触することであらかじめ塗布した化粧水[1]の保湿成分を肌の角質層まで効率的に浸透させる[2]機能を持つ。シェービング機能との共存を実現するまでにも、多くの苦労があった。
「イオンの力を利用した浸透技術は既にイオンエフェクターで商品化されていましたが、合理的な構造の『正解』がすでに完成しているメンズシェーバーにそれを組み込むことは容易ではありませんでした。シェービング中でも、スキンケア単独でも使いやすいイオンプレートの形状や、刃とプレートの最適な位置関係などを探るため、何度も試作と検証を繰り返しました」
 
シェーバーなので高い防水性能も要求されますが、ヘッドにイオン電流を流す経路やヒーターを内蔵した上で全体を防水する必要がありました。その上でスリムかつスタイリッシュな外観にまとめることにもこだわり、設計担当やデザイナーと一緒に苦労しました」
 
技術的な苦労はもちろんのこと、スタイリッシュさ、そして使い勝手など多面的にベストを目指す。そのこだわりを詰め込み、スキンケアシェーバーは完成したのである。
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