Fashion Tech News symbol
Fashion Tech News logo
2021.12.24

Revery AI:オンラインストアに簡単に統合できる仮想試着室

Revery AIは、2020年10月に創業したアメリカ発のテックスタートアップだ。彼らはオンラインリテーラー向けに、迅速かつ容易にウェブストアへ統合可能なバーチャルフィッティング技術を提供している。サービスを利用する企業やブランドは製品ごとに画像を提出するだけで、顧客がウェブサイト上で自身に近いモデルに服を着せ、コーディネートを組むことができる。彼らの機械学習を応用したバーチャルフィッティング技術は、既存の技術より企業やブランドの導入コストが少なく、サービスを導入する容易さから注目が高まっている。今回、当社のプロダクト・リードを努めるOrion Dai(オリオン・ダイ)氏に当社の技術について話を伺った。

画面上で試着が可能に

Revery AIは、2020年10月に、現CEOのKedan Li(ケダン・リー)氏、現COOのJeffrey Zhang(ジェフエリー・チャン)氏、現在CSOのMin Jin Chong(ミンジン・チョ)氏の3人によって設立された、テックスターアップ企業である。創業メンバーは3人ともに、現在コンピュータビジョン専攻の博士課程在籍中であり、数年前から当社のコアとなるスキャン技術の研究に携わり、Computer Vision and Pattern Recognition(通称CVPR)を始めとする国際的な学会で論文を発表した背景を持つという。
「創業を後押ししたのは世界的なパンデミックでした。特にシンガポールでは2ヶ月ものロックダウンにより、実店舗を主軸とする企業は大きな打撃を負っていました。このように多くの実店舗が閉鎖されていた中で、小売業者は売り上げを伸ばすためのデジタルソリューションがより一層求められていたように思います。」
当社の提供するB2Bソリューションで企業は、自社のオンラインストアにプラグインが可能なバーチャルフィッティングを簡単に導入することができる。
「私たちが目指しているのは、実店舗での体験を生活の中で可能にすることです。つまり、何着ものコートを手に取り、試着室に行って、自分に似合うかどうかをチェックすることができる体験をオンラインで再現しようとしているのです」とダイ氏が語るように、サービスを導入したオンラインストアで顧客は、アイテムを選び、好きなアイテムを組み合わせコーディネートを組んだり、多様な着用モデルでアイテムを試着することもできる。そして、カテゴリを超えてアイテムを加えたり、外したり、どのようなトップスでもボトムスでも着替えることができる。
さらに、コーディネートに応じてアイテムの着こなし、タックイン・タックアウトの選択ができる。この機能はダイ氏によれば「バーチャルリテーラーの中でも、私たちが先導的な事例であると考えています」とのことだ。この機能によって、画面上での操作で人それぞれ異なる着こなしを視覚化することが可能となっている。さらに、ウェブサイトに表示されるモデルを自身の着用外観と近づけるために、靴やバックに合うポージングの選択も可能となっている。モデルの体型編集及びサイズ編集機能は、現在研究中であるといい、来年春頃の導入を目標に開発が進められているという。

オンラインストアへの簡単なプラグイン仕様

「フォトリアリスティックな画像生成クオリティには、多くのお客様が、バーチャル試着サービスでは見たことのないような画質に感心している、とフィードバックをいただきました」とダイ氏が言うように、実際に当社の提供するサービスは、利用顧客となるブランドからの満足度が高い。
ブランドが当社のサービスを利用するには、大きく分けて3つの段階を踏むことになり、その日数は合計でわずか14日だという。まずはじめにブランドは、1SKUごとに正面を向いたゴースト・マネキンの画像1枚、そして、アイテムの詳細を記載したCSVなどの在庫管理メタデータを提出する。仮にアイテムに色展開がある場合、それらの色の画像を送付することで、製品の色変更が可能になるが、より正確な色の表示を求める場合は全ての色の製品画像を送付することが推奨されている。
1 / 2 ページ
#Virtual Fitting
この記事をシェアする