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2022.08.29

SNOWのノウハウや技術力を活かしたAR商品体験「Virtual Try On」

全世界で4億人以上が使用するARカメラアプリ「SNOW」。元々は韓国で生まれたカメラアプリで、日本に上陸後、AR技術を利用したフィルターやスタンプなどで10代を中心に、あらゆる世代から支持を集めてきた。
そんなSNOWが、今年5月に実売商品をAR体験できるVirtual Try On(AR商品体験)メニューをリリースした。Virtual Try Onは実際に販売されている製品の色味や質感、光の当たり具合などをSNOWのスマートフォン画面内で自然に再現できるサービスだ。今回はSNOW Japan株式会社事業統括の崔智安さんに、同サービスの開発背景やリリースの狙いについて伺った。

ハイクオリティな商品再現が可能

Virtual Try Onは、創業以来AR技術(顔認識など)に特化してきたSNOWだからこそのハイクオリティな商品再現が可能となっている。SNOWの圧倒的なユーザー数に対し、認知獲得から商品体験、購入まで一気通貫でプロモーションすることができるのも強みの一つだ。
「弊社のARカメラアプリ『SNOW』の技術を持って、クライアントに仮想商品体験のサービスをご提供したい経緯がございました。実際の商品を本当に試着しているかのような再現が、SNOWアプリ内で可能でございます。また、新型コロナウィルスの影響もあり、実際の店頭における試着や購買の減少、またネット通販における商品体験の限界を起因とする返品率増加にお悩みのクライアントに対して、Virtual Try Onは最適解をご提供しております」
結果として、導入したクライアントからは「HPへのトラフィックが増加した」「試着回数を多く計数できた」などといった喜びの声が届いたという。
SNOWはアプリ自体のリリース以降、多数の若年層ユーザーを中心に支持を集めてきた。だからこそSNSトレンドや、ニーズに対する知見も集まっていると崔さんは話す。
「さまざまな種類のフィルターを手掛けたからこそのノウハウと技術力は、他のどの企業よりも優れていると自負しております。弊社が基幹事業とするSNOWは、上記の自信と実績を持った確かな技術とサービスを日々ご提供させていただいております」
日々、多くのユーザーがSNOWアプリへアクセスしているため、そこでの商品掲出と認知拡大は有効活用できる。加えて、Virtual Try Onのスタンプを選択したエンドユーザーへ、商品バナーの全画面掲示も可能だ。商品体験(バーチャル試着)の最中、または試着して写真を撮影した後にも該当商品のECサイトへの直リンクバナーが掲出される。それにより商品体験のイメージを強くしたまま、即購入に繋げられる点がVirtual Try Onの最大の強みである。
実際にVirtual Try Onをスタートさせて約3か月が経過したが、実際の購入者やその後の反響はどうだったのだろうか。
「ポジティブな購入フローの構築という面では、SNOWユーザー対象でサーベイを行ったところ、ユーザーの91%がオンラインショッピングの際、商品体験の限界により購入を諦めた経験がありました。このようなネガティブ体験があったユーザーに対してVirtual Try Onを導入した結果、85%のユーザーが購入時にポジティブな影響を受けました。直接体験ができなかった結果、ネットショッピングの購入を断念する顧客たちに対して、よりポジティブな購入誘導フローの構成を実現いたしました」
ブランド価値の向上でいうと、Virtual Try Onを使用した場合の対象のブランド知名度が46%、好感度が27%上昇した。結果としてユーザーが該当ブランドの商品を認識するようになり、ポジティブなイメージを与えることができたのだ。Virtual Try Onの実施カテゴリーはコスメ全般をはじめ、フットウェア、アクセサリー類があり、これまで導入した企業はAMUSE、OLENS、Loreal Paris、Vans、FILA、Columbia、Gentle Monsterなどが挙げられる。
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#Virtual Fitting
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