2023年3月に、イギリス発の自然派ビューティブランド「
ザボディショップ」の新宿店がリニューアルオープン。国内で初となる循環型店舗「チェンジメーカーズワークショップストア」として生まれ変わった。
ここ数年「シェアコスメ」や「ヴィーガンコスメ」が美容業界でもトレンドとなっているが、ザボディショップは40年以上前からジェンダーレスで天然原料由来の商品を世に送り続けている。同社PRの園部智子さんにその背景を伺った。
ブランドの背景にある創設者 アニータ・ロディックの理念
ザボディショップのサステナブルなコンセプトは創設者のアニータ・ロディックの数々の経験に由来するのだという。たとえばその中のひとつが、世界中を旅した経験。国連のILO(国際労働機関)で働いていたこともあり、アニータは世界を回りながら各地に伝わるカカオバターやアロエベラ、ホホバオイルなどの天然素材を使った美容法を目の当たりにし、感動したという。他にも、戦時中に倹約する母親からは、再利用やリサイクル、詰め替えなどを学び、小売業の慣習に疑問を持っていた。結婚した夫が馬でアメリカを縦断する旅に出る間、娘2人を育てるためにこの化粧品ビジネスを思いつき、34歳で 起業する。
さらに、幼いころや若いころからの「平等や公平」の精神は、のちに"ビジネスには世界を変える力がある"という理念のもと、フェアトレードや行き過ぎたルッキズムへの反対、化粧品の動物実験反対などのキャンペーン活動へとつながっている。
「ザボディショップはブランド設立当初より、特定の人だけに向けた化粧品を作るのではなく、すべての肌、すべての性別に向けた天然原料を使った化粧品を作り続けています」
まさに昨今の美容トレンドが、ザボディショップに追いついたとも言えるのかもしれない。
男性からも支持されるボディショップのアイテム
ジェンダーインクルーシブな商品展開をする同ブランドは、男性利用者も多い。実際、売り上げ全体の約2割が男性で、エシカルな商品、性別を問わないシンプルなパッケージも人気の秘訣だ。男性の美容リテラシーが増す中で、天然原料由来コスメの需要も増えている。「あらゆる肌悩みに対応した商品がありますので、その中で男性の方にも多い肌悩みにおすすめの商品もラインナップしています」
「たとえば、皮脂が分泌しやすいという肌悩みに対応したのがティーツリーシリーズです。天然の浄化作用を持つともいわれるティーツリー由来の成分を配合。洗浄により肌を清浄に保ち、過剰な皮脂分泌によるテカりやベタつき、ニキビなどを防ぎます」