2022.11.08

美容成分は“ウーロン茶エキス”や“ウイスキーの樽材エキス”!? サントリーウエルネスが男性化粧品でミドル・シニアを掴む仕掛けとは?

2022年3月、サントリーウエルネスがオールインワンスキンケア商品「VARON(ヴァロン)」とともに、ミドル・シニアの男性化粧品市場に参入して話題となった。
 
「サントリーがシニア男性化粧品!?」という意外性もさることながら、この「VARON」に含まれる美容成分が“サントリー”という名称から誰もが連想する「ウイスキー」や「ウーロン茶」に関係しているということにも興味を引かれた。
 
そんな気になる独自開発成分や新たなチャレンジの裏側について、商品企画を担当した西山雅大氏、開発を担当した松岡龍雄氏に話を伺った。

サントリーの加齢研究から発見された2つの成分とは

サントリーの研究開発の歴史は古く、1919年にスタートし、加齢研究に関しても1980年代から40年ほどの歴史を刻む。その中で見出されてきた美容成分は、実にサントリーらしさに溢れている。
 
例えば女性向けエイジング化粧品「F.A.G.E(エファージュ)」には、ビール作りに必要な酵母や、ワインに含まれるポリフェノール由来の美容成分が配合されている。
 
そしてもちろんこの「VARON」も、同社らしい独自開発の美容成分を2つ含有。しかもそれらは「VARON」が企画される以前から研究されており、出番待ちをする数多くの美容成分の中からその働きが「ミドル・シニア男性」に適しているということで選ばれたのだという。

画像: ウイスキーの樽材エキス[1]。ウイスキーの熟成に用いられる「熟成樽材」の1つ「スパニッシュオーク樽」から抽出したサントリー独自の成分。肌荒れを防ぎ、しっとり感のある肌へ導く。ちなみにスパニッシュオークはポリフェノールを豊富に含んでいる
ウイスキーの樽材エキス[1]。ウイスキーの熟成に用いられる「熟成樽材」の1つ「スパニッシュオーク樽」から抽出したサントリー独自の成分。肌荒れを防ぎ、しっとり感のある肌へ導く。ちなみにスパニッシュオークはポリフェノールを豊富に含んでいる
画像: ウーロン茶エキス [2]。ニオイ物質の吸着性能が高く分子量の大きい「高重合ポリフェノール」を多く含む、独自開発の「ウーロン茶エキス」。生き生きとフレッシュな印象へと導く
ウーロン茶エキス [2]。ニオイ物質の吸着性能が高く分子量の大きい「高重合ポリフェノール」を多く含む、独自開発の「ウーロン茶エキス」。生き生きとフレッシュな印象へと導く

このほか「VARON」は、混合肌の皮脂を調整しながら潤いを与えるイノシトール[3]、肌にハリを与える「アセチルヘキサペプチド-8」[4]など、ミドル・シニア男性の肌にふさわしい成分を配合している。

化粧品メーカーとは違う「VARON」のスタート地点

 サントリーウエルネスはすでに健康食品やサプリメントで多くの顧客を持ち、そこから寄せられる声をきっかけに「VARON」は生まれた。
 
「例えばセサミンを購入されているシニアのお客様の多くは“いくつになっても人との繋がりを持って、若々しく豊かに生きたい”と思われています。裏を返すと、年齢に伴う外見の変化によって自信が無くなってきた、それゆえ外出の機会も減り孤独を感じている、そんな潜在的な悩みを抱えているのではないかと我々は感じていたんです。そこから『VARON』の企画がスタートしました」(西山氏)
 
面白いことに「VARON」は“肌を美しくしたい”というスキンケアニーズだけがスタート地点なわけではない。ミドル・シニア男性の「自信をつけたい」「自分らしく生き生きと人生を送りたい」というインサイトがより強く意識されているようだ。
 
「VARON」のターゲットであるシニア男性は、美容意識のある若者と違い、手入れを怠ってきた層である。むしろ肌を手入れする概念すらない人も多い。
 
「20年、30年もの間、紫外線やヒゲ剃そりからのダメージを受け、ケアのないままの肌はかなり劣化している状態と言えます」(松岡氏)
 
そんなミドルシニア男性こそ緊急にケアが必要であるが、そもそも肌をいたわる概念がない人たちに、どうスキンケアを提唱していくのだろうか? 

画像: 価格はミニボトル20mL(約2週間分)2,200円、ミニボトル20mL 2本セット(約1か月分)3,300円、ラージボトル120ml(約3カ月分)8,250円 ミドル・シニアから80代までの幅広い顧客に対応するため3種類の香りが用意されている
価格はミニボトル20mL(約2週間分)2,200円、ミニボトル20mL 2本セット(約1か月分)3,300円、ラージボトル120ml(約3カ月分)8,250円 ミドル・シニアから80代までの幅広い顧客に対応するため3種類の香りが用意されている

ミドル・シニアに向けたコミュニケーションの工夫とは

 「VARON」の開発やコミュニケーションには、スキンケア概念のないターゲット層を意識したいくつかの仕掛けがされている。
 
「オールインワンが採用されたのもその一つです。これまでケアの習慣がなかった人にとって、化粧水、美容液、クリームのステップはたったの3つであっても煩わしいもの。“スキンケア=面倒くさい”という印象を持っていただきたくなかったため、1 本で完結できるよう開発しました」(西山氏)
 
さらにここにも「W/O/W」というサントリー独自の乳化技術が採用されている。一般的なジェルタイプのオールインワンは水系成分と油系成分をまとめてジェル状に固めただけであるのに対し、『VARON』のオールインワンは化粧水、美容液、クリームの成分がしっかりと分かれている。
 
「これは技術的には飲料というより医薬分野で使われてきた技術です。この技術に着目し、化粧品に展開できないかと開発を進めてきました」(松岡氏)

画像: それによりひと塗りするだけで、①化粧水成分で潤す→②美容液成分がしみこむ→③クリーム成分で潤いを閉じ込める、のスキンケアの段階が順に再現される「3ステップ浸透[5]」を実現した
それによりひと塗りするだけで、①化粧水成分で潤す→②美容液成分がしみこむ→③クリーム成分で潤いを閉じ込める、のスキンケアの段階が順に再現される「3ステップ浸透[5]」を実現した
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化粧品の広告では美容成分を推すものが多い。「VARON」もサントリーの誇る技術が凝縮された商品ではあるが、コミュニケーションでは「体験価値」を強く打ち出し、美容初心者であるターゲット層に気持ちの変化や周囲の反応といったワクワクするようなベネフィットを伝えた。
 
「2022年の春と秋にテレビCMを打った際には『顔の印象が変わる10日間始まる』というメッセージで展開しています。短期間で印象が変わるという点を訴求し、誰もが体験できるよう、初回分は手の届きやすい550円で提供しています」(西山氏)

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そして商品が届いた際にもミドル・シニアをくすぐる演出が待っている。
 
商品はB5サイズほどの高級感ある銀色のボックスに収められ手元に届く。宝箱を開けるような感覚で蓋を開けると、メインのボトルと香りの違う2種類のサンプルが入っている。「VARON」にはオリジナル、クラシック、フレッシュの3つの香りが用意され、好みや気分、パートナーに合わせて選ぶ楽しみが加わっている。
 
また同梱されているリーフレットも豪華だ。カバーにはレザーのような凹凸を感じる用紙が採用され、銀の箔押しでロゴが入っている。
 
「スキンケアならではの上質感を担保しながら、大人の男性としての遊び心だったり、楽しくなるような高揚感を大事にしたいなと思ったんです」(西山氏)

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いい顔つきで豊かに生きることをスキンケアからサポート

 長年の加齢研究に裏打ちされた確かな商品であることは、サントリーブランドの大前提。その商品力があるからこそ、一貫して「スキンケアの楽しさやスキンケアがもたらす人生の豊かさ」を打ち出すことができる。ミドル・シニアの男性にとって鏡を見る楽しさを実感できるようになることは、人生を豊かにする新しい気付きになることであろう。
 
人生100年時代のスキンケアを謳う「VARON」。50代、60代はまだまだ人生の半分なのだ。「セサミンEX」や「ロコモア」で日本を元気にしてきたサントリーウエルネスが、今度はスキンケアでミドル・シニア男性の悩みに光を当てる。

[1]ヨーロッパナラ木エキス、BG:美容成分(保湿)
[2]チャ葉エキス、BG:美容成分(保湿)
[3]イノシトール、BG:美容成分(保湿)
[4]アセチルヘキサペプチド-8、BG:美容成分(保湿)
[5]独自の3層構造により成分を三段階で角層に届けること

PROFILE|プロフィール
松岡龍雄(まつおか たつお)
松岡龍雄(まつおか たつお)

サントリーウエルネス株式会社
サントリー科学研究所 「VARON」開発担当
これまでスキンケアの素材開発から商品開発、品質保証を担当。現在はスキンケア商品の研究開発全般に従事。

PROFILE|プロフィール
西山雅大(にしやま まさひろ)
西山雅大(にしやま まさひろ)

サントリーウエルネス株式会社
美容事業部「VARON」ブランド担当
これまで女性向けの化粧品や美容ドリンクの広告やプロモーションを担当。現在は男性向けスキンケアのマーケティング全般に従事

Text by Junichi Suzuki(ALTANA inc.)

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