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2020.12.16

有名人の「分身」も実現、さらには人生1000年も可能に?バーチャルヒューマンの描く未来(前編)

以前当メディアでも紹介したバーチャルインフルエンサーは、今や一般に浸透しつつある。先日話題となった、刃物メーカー貝印株式会社の「#剃るに自由を」の広告に起用されているのもバーチャルモデルのMEME、つまり実在しないバーチャルヒューマンだ。あるいは、実在の人物を象ったバーチャルヒューマンも存在している。今年ローンチされたホリエ・ロイド・タカフミ(以下、ホリエ・ロイド)もその一つの例で、彼はホリエモン、つまり堀江貴文のバーチャルヒューマンである。
上述のホリエ・ロイドや、当メディアでも紹介した男性のバーチャルインフルエンサー、リアム・ニクロを開発、運用しているのが株式会社1SEC(ワンセック)だ。彼らはいかにしてバーチャルヒューマン(注:バーチャルモデル、バーチャルインフルエンサーを含めた総称として本記事ではこの語を中心的に使用する)の開発を実現してきたのか?また、その戦略とビジョンはどのようなものなのか?そして、バーチャルヒューマンとは一体何なのか?今回は1SECのCEO宮地氏とCOO中村氏にお話を伺った。
左:CEO宮地氏/右:COO中村氏
左:CEO宮地氏/右:COO中村氏

1SECの事業設立背景とバーチャルヒューマンへの着目

まずは、1SECの設立背景を教えてください。
中村設立としては2019年の1月29日で、現在2期目にさしかかり、Founder/CEOとしては宮地が、僕がCOOとして参画しております。事業としては、エンタメなどのDXと、バーチャルモデルとAIの研究開発など、大きく分けてDXとバーチャルモデル、この2軸になってます。
D2Cのブランドや動画メディアを扱う企業を大手ゲーム会社に売却したのち、米国のメディア情報を色々とキャッチアップする中でバーチャルヒューマンとAIに着目して会社を創立しました。ファンコミュニティだったりYouTubeをはじめとするコンテンツをプロデュース等している中で、その延長線上としてバーチャルモデルやAIというものを、エンタメを中心に提案しています。
技術面に関しては、ファイナルファンタジーXIIIのムービーディレクターやVRCG事業を管轄していた藤井(CTO)が担当しています。社外取締役としては、EMIミュージックジャパンの元社長の方に参画いただいていて、セレブリティやエンタメの橋渡しをグローバルでしています。これが主なメンバーです。
続いて、バーチャルモデル等のサービスを立ち上げられた背景も教えてください
宮地僕が前職3ミニッツという会社を創業し、ファッションに特化したことをやっていたんですが、その延長線上で幅広くファッションに限らずエンタメを含めた人脈があり、その中で色々ご相談をいただいていています。
例えば、独立して活躍しているパワーインフルエンサーの人たちのサポートをしています。自分が動かなくても活動できる1つのツール、マネタイゼーションの1つとして、バーチャルというテクノロジーが対応する可能性がすごく大きいんです。なので、その手前でエンタメDXなども幅広くやったりしています。
バーチャルテクノロジーとAIを1つの柱としているんですが、そのバーチャルモデルとAIを1つのツールとして使うエンタメの流れでいくと、「分身」を作ることもマネタイゼーションの1つになります。
中村セレブリティのDXより先に、バーチャルモデルやAIを提供していくのが先でしたね。バーチャルモデルやAIは、研究開発に結構時間がかかったりするので、当初より進めていたリアム・ニクロをリリースした時期くらいから研究開発を進めています。
もう少しブレイクダウンしてお話しさせていただくと、AIを搭載したバーチャルモデルは、次世代のインフルエンサー、インターフェースになれる存在かなと思っています。その背景としては、5Gだったり、リアルな人だと発信情報が意図せず誤解されることで生まれるリスクなどがあります。デジタルプラットフォームを介してアクセスできる、アクセスしに行ける存在として、バーチャルモデル、AIというものを捉えています。
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#Virtual Human
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