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2023.03.24

オンライン診療でしかできない価値を追求:美肌治療をもっと身近に「ANS.」

年間8,000人が来院するという定額制の美容皮膚科「HADA LOUNGE クリニック」をプロデュースする株式会社Neautech(ニューテック)は、悩める肌に答えを届けるオンライン美肌治療サービス「ANS.(アンス)」をローンチした。
ANS.はスマホで医師によるオンライン診療を受け、肌悩みや目指したい肌に応じた美肌薬を最短翌日で自宅に届けてくれるサブスクリプション型サービスである。さらに薬が届いた後も、肌に関するお悩みやお薬の服用に関しての疑問などをチャットで専門家に相談も可能。「伴走型のオンライン美肌治療サービス」を目指している。
そんなANS.の監修医である竹村昌敏先生と、同サービスの事業部長を務める水本明宏さんに、オンライン型の美肌治療サービスに着目した背景について話をうかがった。
PROFILE|プロフィール
竹村 昌敏
竹村 昌敏

株式会社Neautech取締役/ANS.監修医
日本において「オンライン診療」という公式で初めて使った、医療×IT分野の第一人者。HADA LOUNGE クリニックでの美容皮膚科医としてのナレッジを活かし、美容に特化したオンライン診療領域の開拓者。執筆論文多数。高知大学医学部 医療×VR特任准教授。

PROFILE|プロフィール
水本 明宏
水本 明宏

株式会社Neautech取締役/ANS.事業部長
中央大学法学部卒業。WEBマーケティング・開発PM・プロダクトマネジメントを経験後、社内外の新規事業開発に従事。2020年より美容・AGA・ピルなどのオンライン診療サービスや検査サービスの新規事業開発に携わる。

医療×IT分野の第一人者が手がける

まずは、ANS.の成り立ちについて教えてください。
水本私たちの会社は元々定額制の美容クリニックであるHADA LOUNGE クリニックを運営しています。しかし、実店舗であるクリニックだけでは診察できる対象者が限られるため、より多くの人々に肌悩みを解決してほしいという思いから、公式に初めてのオンライン診療のプラットフォームの立ち上げを決めました。
外部の投資家などから6億円の資金調達をし、2022年2月に株式会社Neautechを設立、同年5月にはオンライン診療プラットフォームの事業を始めました。ベータ版では「HADA LOUNGE オンライン」という名前でしたが、2023年1月にANS.という名前で正式リリースし、現在はこちらが弊社の主力事業となっています。
貴社の取締役であり、ANS.監修医の竹村先生は日本において「オンライン診療」を公式で初めて使った、医療×IT分野の第一人者とお聞きしました。医療ITサービスの開発に至った思いについて教えてください
竹村もともと日本では2013年頃にオンライン診療という言葉はなかったものの、遠隔医療と言われていた分野の研究だったり、それらの社会実装に向けていろんなことが実験されていたんです。ですが、なかなか実らず国からの予算がなくなると研究も終わる、そんなことを繰り返していました。
しかし、2014〜2015年頃から医師たちがITで臨床の課題を解決しようという機運が高まり、若いドクターやITに興味のある医師が増えてきました。私はその頃、病気の皮膚を治すだけでなく、患者さんの肌全体をトータルで診るサービスを提供することに取り組んでいました。そもそも皮膚科医が少ないうえに、さらに総合病院には皮膚科がなかったため、国の保険制度によって入院中に皮膚科にかかることができない問題などがあったからです。
そんななか友人が勤める総合病院において、高い感染力を持つ皮膚病が蔓延した事例がありました。そのような状況での「皮膚科を受診するハードルの高さ」問題を解決するために、テクノロジーを活用して、その友人とともにオンライン診療に近いものを開発しようと始めたのです。
現在、日本の医療IT業界が盛り上がっているなかで、当時その潮流に乗って集まったメンバーたちは、今では多くのIT企業で役員や社長として活躍しています。ベンチャーやスタートアップ企業ではありますが、彼らが日本の医療IT業界をけん引しているということは間違いありません。日本の医療IT業界がますます成長するなかで、自分自身もANS.というサービスを拡大して、多くの人に医療を提供することを目指しています。

ライフタイムパートナーのように患者の肌を見続ける

オンライン美肌治療のサブスクリプションサービスにした背景は?
竹村皮膚の治療は他の疾患と比べても根本的な改善に時間がかかること、特にニキビは繰り返しやすく、根本的な原因を解決しない限り再発することが多いケースがあります。ニキビの原因菌である錠剤菌などは、慢性疾患のように体内につきまとうものであり、短期的な治療ではなく長期的な治療が必要であることを考慮し、サブスクリプション形式での治療を提供することとなりました。
また、皮膚の美容医療に関しては日本の社会保険制度のなかでは治療ができないことも多いため、肌悩みを持ちつつも放置されている方が多くいます。そこで、病的な皮膚疾患にとどまらず、全般的な肌の悩みに対するアプローチを行いたいと考えました。
水本患者さんそれぞれの肌のトータルケアについて考えること、医療と結びつけること、クリニックに来られない人たちにサービスを提供することはすべてテクノロジーの力で解決できると考えています。このように美容に関する悩みや疾患に科学的・医学的にアプローチし、悩んでいる人たちを救いたいと思っています。
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#BeautyTech
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