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2022.06.13

越境ECで日本の美容サロン専用品を中国へ:オーエス

中国越境EC事業を行う株式会社オーエス。中国のデジタルマーケティング領域に精通しており、インバウンド事業では日本企業および全国の自治体や省庁の中国プロモーション支援を行うほか、中国からの日本向け美容体験送客サービスや日本の美容商材の越境ECサービスも独自に展開している。
先日、中国越境EC売上シェアNo.1の「天猫国際(TMALL Global)に「BeautyPark玩美花园旗艦店」をオープンした同社。日本の商品を中国人消費者へ積極的にアプローチし続けている。今回は同社のインバウンド事業部・取締役である高橋 由彦さんにインタビューを実施。中国越境EC事業を成功させるポイントについて伺った。
PROFILE|プロフィール
高橋 由彦
高橋 由彦

株式会社オーエス 取締役

2007年9月 WEBサイト制作事業立ち上げ
2011年3月 BeautyPark事業立ち上げ
2015年4月 WEB広告事業立ち上げ
2016年8月 インバウンド事業立ち上げ
2020年9月 中国越境EC事業立ち上げ 
2018年2月 JLAA観光メーケティング実務責任者取得 (認定番号:20180201009)
2018年11月 観光庁様から広域周遊観光促進のための新たな 観光地域支援に関する専門家派遣事業の「中国市場における専門家」とし、 専門家就任の依頼を受け専門家登録されました。 
出演メディア:TBSテレビ/Nスタ、フジテレビ/プライムニュース、産経新聞、週刊粧業、国際商業、 月間イザナギ、美容エステジャーナルetc.

日本と異なる中国マーケット

まず、株式会社オーエスで展開している越境EC「BeautyPark玩美花园」について教えてください。
「BeautyPark玩美花园」は中国向けの越境EC&インバウンド予約代行サービスと、中国であまり知られていない日本の美容サロン専用品を販売するサービスです。越境ECサイトを用意して商品を掲載するだけでなく、中小企業や個人サロン様向けに中国での販売戦略やプロモーションのサポートもしております。
もともとは国内で事業を展開していたなかで、中国にアプローチするきっかけはなんだったのでしょうか。
弊社は中国に進出する以前、美容サロンに予約送客する検索サイトを10年ほどやっておりました。しかし、日本の人口減少や超高齢社会が進むなかで国内のマーケットが縮小し、限られた人を取り合うような状態になっていました。そのような課題を解決するには、美容業界も新規開拓をしなければなりません。そのタイミングで当時はインバウンドがきており、これからは観光というコンテンツが国の基幹産業になっていく印象があったのです。
インバウンドが盛んになっていた2016年は美容サロン側は具体的な対策を打てておらず、海外の方に対応できないという課題があったんですね。それであれば、僕らが間に入り、送客や対応を行うことによって海外の新しい市場を取り入れていこうとスタートしたのが予約代行サービスでした。
インバウンド対策といっても色々な国がありますよね。当然、国によって文化や習慣が異なってくるので、ターゲットを絞るなかで今後の将来性や消費の動向のデータをみて、中国を選ぶことにしたのです。
中国の方にはどのような商品が好まれているのでしょうか。
中国で最も大きい越境ECプラットフォーム「天猫国際」で2020年度によく伸びた日本の商品は塗るタイプのフェイスパックですね。伸び率も前年度より52%ありました。抗酸化作用や老化防止的なものや、若い世代ではニキビ予防といった予防に関するものが人気です。中国の方は予防意識が高く、20代中盤くらいから高い化粧品やスキンケア商品を使ってケアしている方が多い印象です。
中国の越境ECを始めるなかで、どんなところに課題があったのでしょうか。
ECで物を売ることは日本の感覚であればBtoCが一般的で、広告やメディアで流れてくるメーカーや商品の情報を信用して物を買うことが多いと思います。ですが、中国の商文化は異なります。何か物事を決定する際に、メディアやマスの情報を「これは正しい」「これは合っている」と認識せず、第三者からの情報を日本以上に重視する感覚があります。
日本ではコンテンツマーケティングやSNS広告で無名の広告が流れてきてもウェブマーケティング次第で売れますが、中国はうまくいかないところがあります。検索エンジンですと、Googleの代わりに百度(バイドゥ)がありますが、中国で認知のない商品のリスティング広告をかけて売っても全く売れないんですね。
そのため、中国流の売り方や商品の流れを理解して、中国流にやらないと成功できないところが大きな課題としてありました。ウェブの環境やSNSプラットフォームが全く異なるので、中国進出は軸足を置いてやらないとうまくいかないと思いますね。
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#BeautyTech
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