Fashion Tech News symbol
Fashion Tech News logo
2022.10.14

コンプレックス解消が自信につながる!? いま、男子がヒゲ脱毛に通う本当の理由

昔は紳士の証であった“ヒゲ”。しかしその象徴も、今では前時代的なものになりつつある。それは若者を中心にヒゲ脱毛に通う人が増えているからだ。なぜ、男性がヒゲ脱毛に走るのか。その理由をメンズに特化した総合美容医療を展開するゴリラクリニック総院長の稲見文彦氏に伺った。

昔の美容クリニックでは男性が肩身の狭い思いをしていた

 歴史を辿ると、男性のヒゲは権力の象徴であったり、紳士の嗜みでもあった。近年ではヒゲ文化も定着し、ファッションの重要なファクターとして根付いてきている。しかし、東アジアの一部の地域(特に日本や韓国)では若者を中心にヒゲ脱毛に通い、ツルツルの肌を目指す人も増えている。
ヒゲ脱毛のニーズが高まってきた2014年、ゴリラクリニックが開院。それ以前もエステサロンなどでニードル脱毛[1]やフラッシュ脱毛[2]は行われてきたが、ニードル脱毛はとても痛くギブアップする男性が少なくなかったそうだ。一方、フラッシュ脱毛ではメンズの濃いヒゲには効果が乏しく、満足いく結果が得られない状況だったとか。
ゴリラクリニック新宿本院の受付。黒を基調にしたクリニックカラーもゴリラクリニックがパイオニアなのだ
ゴリラクリニック新宿本院の受付。黒を基調にしたクリニックカラーもゴリラクリニックがパイオニアなのだ
当時は「メンズ専門クリニック」といえば薄毛(AGA)専門のクリニックなどしかないような状況だったため、レーザー脱毛[3]を希望するメンズは一般的な美容クリニックに行くしかない。しかしクリニックの待合室は女性患者がほとんどで、男性は非常に肩身の狭い思いをしていたという。『男性だけが通えるクリニックを作って、多くの男性に気軽に来院して欲しい』と考えたゴリラクリニックの総院長の稲見文彦氏。ヒゲ脱毛を始めたきっかけをこう語る。
「ヒゲの“濃さ”で悩んでいる男性が非常に多く見受けられました。きちんとヒゲを剃ったのに上司に『どうして剃ってこなかったのか』と注意されたり、子どもが書いた似顔絵を見たら顔半分が真っ黒で驚いた、など悩みを寄せる男性が大変多かったため、その悩みを解消したいと強く思いました。
ヒゲ脱毛を行うメリットはいくつか挙げられますが、まずは毎日のヒゲ剃りの手間が省けること。朝の貴重な数分がヒゲ剃りによって失われないことは非常に有意義です。またカミソリ負けから解放されること。濃いヒゲの方は毎日のヒゲ剃りで肌が荒れてしまいますが、荒れていても剃らなければならない。結果また荒れてしまう……ということを繰り返し、非常に痛々しい状態になってしまいます。
もちろんヒゲを残したい、デザインヒゲを楽しみたい、という方でも頬や首のヒゲは不要なはず。いらないヒゲを脱毛してしまえばデザインも楽になります。そして意外な効果としてはアンチエイジング効果も挙げられます。ヒゲが濃いと老けてみられがちですが、脱毛を済ませると若々しくフレッシュな顔になるんですよ」

カミソリ負けはれっきとした皮膚の病気

 ゴリラクリニックに通う患者は、20~30代の男性が大半。いわゆる普通の社会人や学生が中心とのこと。学校や職場の友人、先輩、後輩がゴリラクリニックに通っていたことをきっかけに来院する人も多いようだ。面白いのが同業の医療業界からも来院する人が多いようで、夜勤や当直明けでもヒゲ剃りをしなくて済むようにしたい、といった要望もあるそう。クリニックに通う人の中でヒゲの悩み第1位として挙げられるのはいったいどんな要因だろう。稲見院長はこう続ける。
ヒゲ脱毛の施術の一コマ。ヒゲはあらゆる部位の中でも最も痛む場所。クリニックのゴリラ脱毛では痛みを軽減させるために2種類の医療麻酔を用意している。また最近では、脱毛の痛みが軽減された次世代レーザー脱毛機メディオスターNeXTも導入している
ヒゲ脱毛の施術の一コマ。ヒゲはあらゆる部位の中でも最も痛む場所。クリニックのゴリラ脱毛では痛みを軽減させるために2種類の医療麻酔を用意している。また最近では、脱毛の痛みが軽減された次世代レーザー脱毛機メディオスターNeXTも導入している
「カミソリ負けがひどいのでヒゲを剃らなくても良いようにしたい、という悩みが第1位だと思います。ヒゲ脱毛=美容医療と考えがちですが、カミソリ負けは『尋常性毛瘡(じんじょうせいもうそう)』という立派な名前を持つ“皮膚の病気”なのです。ヒゲ脱毛によってカミソリ負けが防げるのですから、これは予防医学といっても良いでしょう。またカミソリ負けに悩む男性は気分までも落ち込みがちです。ヒゲがなくなったことで気分まで晴れやかになるので、メンタル面での改善も期待できると思います」
1 / 2 ページ
この記事をシェアする