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2023.02.14

NMN、CBD、ヒト幹細胞、コラーゲン etc. 豪華すぎる「頭皮のための美容液」とその技術に迫る

不眠やストレス性頭痛、かゆみやベタつきなどの頭皮トラブル、加齢による薄毛や白髪など、髪や頭皮に関する悩みは決してひとごとではない。髪は額縁といわれるように印象を左右する重要なパーツであり、昨今はさまざまな頭皮ケア用アイテムがリリースされており、その関心の高さがうかがえる。
2022年12月、remetech(レムテック)から発売された「M/EDICAL PROOF THE FOREST SCALP SERUM」は最先端の再生医療からヒントを得た、今までにないアプローチの頭皮用美容液であり、多方面の悩みに対応するオリジナリティあふれる技術が詰め込まれた製品である。その開発秘話を同社CEOの新井洋和さんに伺った。

“針不要の塗るワクチン”海外で聞かされた日本のスゴい技術

「家族の難病治療のため、骨髄の幹細胞治療を受けにロシアを訪れたときのことです。担当ドクターに言われたんですよ。『塗るワクチンがある。実はこれ、日本の技術なんだよ』と。その場で紹介してもらって 、帰国後、 工場へ見学しに行ったのがきっかけです」
離島や医者のいない無医村でワクチンを接種できない人に向けて研究開発を進めていたこの浸透技術。成分の水分を抜き、粒子化してオイルコーティングする技術に業界で初めて成功した 。「Deep In Act」と名付けられた特許技術である。

医療的知見からのアプローチで、体内へ確実に働きかける

元々はITのバックグラウンドを持ち、起業前から医療ツーリズム(外国に行って治療や医療サービスを受ける)事業に従事している新井さん。
「最先端の再生医療を受けて、病気が治癒していく患者さんの姿を何度も目の当たりにしてきました。再生医療はすばらしい技術だと思うんです。だけど……金額が高い」
なんとか一般の人にも手が出せるような、技術を商品化するよい落としどころはないか。いろいろ検討し、医療分野では認可の問題などもありなかなか条件が合わないなか、スキンケアに応用したのが「M/EDICAL PROOF」シリーズだ。
「東欧諸国は幹細胞を使った再生医療に関して120年程度の歴史があり、日本でも類を見ないくらいの知見があるんです 。連携している現地のドクターたちは、日本の知見では成し得なかったものを持っています。
そもそも私たちの体は、“活性化したグロースファクター”“体内の幹細胞”“細胞外マトリックス”という3つのものが正常に働けば、組織などの再生が可能になるのです。この仕組みは『ティッシュエンジニアリング』と呼ばれています」
「M/EDICAL PROOF」シリーズや今回取り上げる頭皮用美容液は、さまざまな成長因子を含む「ヒト脂肪細胞順化培養液エキス」を活性化を維持したまま浸透させることでこの「ティッシュエンジニアリング」の働きを正常化し、毛母細胞や毛乳頭細胞、毛包幹細胞といった髪の毛を生み出す細胞を活性化させることに着目した。
活性化を維持したグロースファクターが体内に入ると、休止していた幹細胞や老化した幹細胞に働きかけて、新しい娘細胞(幹細胞)や、分化細胞を作り出す。娘細胞はティッシュエンジニアリングのサイクルを早める働きを し、分化細胞は皮膚や骨、臓器になるような細胞を作り出す
活性化を維持したグロースファクターが体内に入ると、休止していた幹細胞や老化した幹細胞に働きかけて、新しい娘細胞(幹細胞)や、分化細胞を作り出す。娘細胞はティッシュエンジニアリングのサイクルを早める働きを し、分化細胞は皮膚や骨、臓器になるような細胞を作り出す
オイルコーティングされた粒子状のグロースファクターが体内に浸透すると、体内の水分と結合することで、初めて活性化を維持したグロースファクターとして放出される。ではなぜ、オイルコーティングなのかというと…
「化粧品に入っている幹細胞培養上精液は、根幹の機能成分となるグロースファクターの分子量が大きすぎるため肌に浸透できません。しかも、そもそも幹細胞培養上精液に含まれるグロースファクターは水分と結合してから48時間でほぼ全滅します。そのため、細胞培養上精液を粒子化してオイルコーティングを施すことで、親油性のある肌の内部に浸透しやすくなるのです」
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