不眠やストレス性頭痛、かゆみやベタつきなどの頭皮トラブル、加齢による薄毛や白髪など、髪や頭皮に関する悩みは決 してひとごとではない。髪は額縁といわれるように印象を左右する重要なパーツであり、昨今はさまざまな頭皮ケア用アイテムがリリースされており、その関心の高さがうかがえる。
2022年12月、remetech(レムテック)から発売された「M/EDICAL PROOF THE FOREST SCALP SERUM」は最先端の再生医療からヒントを得た、今までにないアプローチの頭皮用美容液であり、多方面の悩みに対応するオリジナリティあふれる技術が詰め込まれた製品である。その開発秘話を同社CEOの新井洋和さんに伺った。
「家族の難病治療のため、骨髄の幹細胞治療を受けにロシアを訪れたときのことです。担当ドクターに言われたんですよ。『塗るワクチンがある。実はこれ、日本の技術なんだよ』と。その場で紹介してもらって 、帰国後、 工場へ見学しに行ったのがきっかけです」
離島や医者のいない無医村でワクチンを接種できない人に向けて研究開発を進めていたこの浸透技術。成分の水分を抜き、粒子化してオイルコーティングする技術に業界で初めて成功した 。「Deep In Act」と名付けられた特許技術である。
元々はITのバックグラウンドを持ち、起業前から医療ツーリズム(外国に行って治療や医療サービスを受ける)事業に従事している新井さん。
「最先端の再生医療を受けて、病気が治癒していく患者さんの姿を何度も目の当たりにしてきました。再生医療はすばらしい技術だと思うんです。だけど……金額が高い」
なんとか一般の人にも手が出せるような、技術を商品化するよい落としどころはないか。いろいろ検討し、医療分野では認可の問題などもありなかなか条件が合わないなか、スキンケアに応用したのが「M/EDICAL PROOF」シリーズだ。
「東欧諸国は幹細胞を使った再生医療に関して120年程度の歴史があり、日本でも類を見ないくらいの知見があるんです 。連携している現地のドクターたちは、日本の知見では成し得なかったものを持っています。
そもそも私たちの体は、“活性化したグロースファクター”“体内の幹細胞”“細胞外マトリックス”という3つのものが正常に働けば、組織などの再生が可能になるのです。この仕組みは『ティッシュエンジニアリング』と呼ばれています」
「M/EDICAL PROOF」シリーズや今回取り上げる頭皮用美容液は、さまざまな成長因子を含む「ヒト脂肪細胞順化培養液エキス」を活性化を維持したまま浸透させることでこの「ティッシュエンジニアリング」の働きを正常化し、毛母細胞や毛乳頭細胞、毛包幹細胞といった髪の毛を生み出す細胞を活性化させることに着目した。
オイルコーティングされた粒子状のグロースファクターが体内に浸透すると、体内の水分と結合することで、初めて活性化を維持したグロースファクターとして放出される。ではなぜ、オイルコーティングなのかというと…
「化粧品に入っている幹細胞培養上精液は、根幹の機能成分となるグロースファクターの分子量が大きすぎるため肌に浸透できません。しかも、そもそも幹細胞培養上精液に含まれるグロースファクターは水分と結合してから48時間でほぼ全滅します。そのため、細胞培養上精液を粒子化してオイルコーティングを施すことで、親油性のある肌の内部に浸透しやすくなるのです」
頭皮美容液「M/EDICAL PROOF THE FOREST SCALP SERUM」では、上記で紹介した幹細胞培養上精液のほかにも、三重螺旋(らせん)コラーゲンやNMN、CBDなどの成分や、毛穴に詰まっている汚れを落とす「コメド溶解」技術など多彩な成分と機能を取り入れた。
「三重螺旋コラーゲンは、そのままでは浸透させるにはサイズが大きすぎるため、『Deep In Act』技術で脱水して小さくしました。この技術を使えば、サイズを小さくしても分子構造が変わりません 。
一方、NMNは手を加えなくても皮脂に浸透する分子量なのですが、水溶性のためしっかりオイルコーティングをすることで、浸透させることに成功しました。そしてCBDの問題はサイズでしたが、体内のカンノビノイド受容体にアプローチできるよう、DNA程度の大きさにまですることに成功しました」
新しい成分を開発したわけではない。既存の成分を確実に浸透させる。それを実現させたのが「Deep In Act」技術なのである。
さらに注目すべきは浸透技術だけではない。使用した瞬間から体感できる見た目の変化だ。
「5万から6万個くらいある髪の毛の毛穴には、コメドという皮脂が出てきます。酸化した皮脂がたまってしまうと、シャンプーでも取れないんです。それをまず、コメド溶解という特殊な技術を使ってしっかり剥いであげます 。
コメド除去後の毛穴はゆるんでいるので、そこに水分を抜いたスプリング状の三重螺旋コラーゲンを入れると、体内の水分と結合して頭皮が張って、一瞬で髪が立ち上がります」
使ってすぐに髪がふんわりと立ち上がるうれしい実感を味わいつつ、使い続けていくうちにそのテクノロジーによってどんな変化が起こるのか…。こちらはぜひ体感していただきたい。
最後に、「Deep In Act」を使ったこれからの展望についても伺った。
「実はCBDに関しては、当社製品の使用前後による実証性の高い脳波データを取ることができ、近々CBD関連の商品もリリース予定です。皆さんにワッ! と驚いてもらえるものが届けられるのではのではないかと思っています 。そして、『塗るワクチン』のさらなる開発は、ア メリカに研究所を作る予定で動いています」
「うちの製品は、広告費用をかけず、エビデンスを取ることに予算を投じています。実は、 製薬レベルのものを取ろうとすると時間もコストもかかるんです 。製品の構想は1日もあればできますが、エビデンスを取るのに1年以上かかります(笑)。“こんなのやりたい、あんなのやりたい”っていう10個のアイデアがあったとしても、最終的に残るのは1個か2個くらい。それでも、皆さんに納得してもらえるものを作っていきたいですね」
ユーザーにとっての安心と信頼にもつながる大切なエビデンス。その確かな情報とともに歩み続けるremetechの「M/EDICAL PROOF」シリーズからは今後も目が離せない。
株式会社remetech CEO
2020年8月、株式会社remetech創業。プログラマーを経て医療業界へ参入する、異色の経歴を持つ。日頃から顧客の声に耳を傾けるなど、情報収集に余念がない。「即効性」「長期使用による変化」「圧倒的なエビデンスの量」3つのポリシーをもとに、商品開発・販売をおこなう。
https://medicalproof.jp/brand
Text by Aki Saito(ALTANA inc.)