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2024.05.09

都市生活での“移動”をより快適に「ザ・ノース・フェイス」が提案する「アーバンエクスプロレーション」のテクノロジー

1966年、アメリカ・サンフランシスコで創業された「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」。世界的アウトドアブランドとしてさまざまなシーンに合わせた多種多様なラインとアイテムを展開している。今回注目したいのは、機能合理性によって豊かな都市生活を提供することをコンセプトに掲げた「THE NORTH FACE URBAN EXPLORATION(ザ・ノース・フェイス アーバンエクスプロレーション)」(以後:URBAN EXPLORATION)というコレクションだ。
このURBAN EXPLORATIONの今シーズンのテーマや機能性、デザインについて、株式会社ゴールドウイン ザ・ノース・フェイス事業部 マウンテンライフスタイルグループ マネージャー兼MD 相樂輝さんにお話を伺った。

アウトドアのテクノロジーや、機能性を都市生活に落とし込む

「『URBAN EXPLORATION』というコレクションは、THE NORTH FACEのアウトドアテクノロジーや機能性を取り入れ、ライフスタイルをサポートすることを目指しています。
このコレクションは約10年間展開されており、今シーズンは『移動』に焦点を当てたラインナップが登場しました。都市での移動シーンが多様化するなか、自転車を含む移動を快適かつスマートに過ごすためのアイテムが揃っています」

オリジナルファブリックとディテールで他にはない快適さを提供する「Enride Rain Jacket」

ここからは実際に今シーズンのアイテムを紹介してもらおう。そこには自社開発されたTHE NORTH FACEならではのマテリアルやディテールが盛り込まれている。
「はじめに『Enride Rain Jacket(エンライド レイン ジャケット)』というアイテムを紹介させていただきます。耐切創性(たいせっそうせい)の高い『Dyneema®(ダイニーマ)』[1]という繊維を格子状に織り込んだ生地を開発し、使用しています。
切創性という言葉が聞き慣れないと思うのですが、引裂き強度を高めており、急なアクシデントでも生地へのダメージが軽減される仕様です。
さらにこの生地は防水透湿性のあるメンブレン[2]を接着した3層構造で、これも自社で定めた高い基準を満たしたものになっており、雨にも対応したものになっています」
Dyneema®を格子状に織り込んだ生地
Dyneema®を格子状に織り込んだ生地
「ディテールのお話もさせていただきたいのですが、気温が高めの雨天時における自転車移動で、重宝する機能を搭載しています。自転車に乗っている姿勢をとったときにどこから空気が入り、どう抜けていくか、それによって体温がどう変化し、体のどの部分から放熱すると快適な着心地を実現できるかを、テックラボという自社の研究開発施設で科学的に検証しました。そこで得られたデータを基にした仕様となっています。
腕の中央前側についたベンチレーションから風が入り、脇の下後ろ側のベンチレーションから風がスムーズに抜けるようになっています。
ギミックとしては、まず袖口のループ状のゴムに親指を通して袖と脇のベンチレーション部分に生地をつまむようなボタンあり、それを閉じると着用時、アーチ状に体との隙間ができます。そこに空気の通り道が生まれ、従来のレインジャケットよりも快適な着心地が実現できるようになっています。
その他、着丈に前後差をつけ、前傾姿勢となる自転車での走行を考慮したパターンカットで後身頃が長いディテールや、胸のロゴやファスナーの引き手はリフレクト仕様で、夜間の視認性を向上するものになっています」
腕と脇の下のベンチレーション
腕と脇の下のベンチレーション

穿くという概念を変える「Enride Rain Pant」

Enride Rain Jacketとのセットアップとして「Enride Rain Pant(エンライド レイン パンツ)」というアイテムもリリースされている。同じ生地を使い、素材の機能はそのままにこちらも考え抜かれたギミック満載のアイテムとなっている。引き続き相樂さんに紹介していただこう。
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