SILVERTAB™はLevi's®のコンテンポラリーラインとして、1985年にスタートする。Levi's®ジーンズのシンボルであるタブがシルバーで、その独特な雰囲気のバギーやルーズなどのワイドなリラックスシルエットは、当時の若者を中心に爆発的な人気を博したラインだ。
そしてリリースから時を経た2022年秋冬に、SILVERTAB™はカムバックする。NIGO®氏率いるクリエイティブチームによるローカルキャンペーンとして作られた動画はラップグループのスチャダラパーや、プロボクサーの那須川天心氏などが出演し、話題になったのも記憶に新しい。
“既存の型にはまらないゆるいカッコ良さ”
「SILVERTAB™はもともと『501®』や『505™』のようにロット番号があるオーセンティックなモデルよりリーズナブルなラインで、販売先も違えば、商品デザインのコンセプトも違い、縫製の工程も簡略化されたラインでした。日本のストリートカルチャーは海外でも影響力があるぐらいコアなものだと思うのですが、“既存の型にはまらないゆるいカッコ良さ”というものと日本のストリートカルチャーが持つ独特の美意識がフィットしてどんどん人気が高まっていき、ムーブメントが形成されたのです。ブランド側が仕掛けたものではなくストリートとのケミストリーにより自然発生的に生まれたブームでした。
それから販売が終わっても古着でSILVERTAB™のアイテムをみんなが探すようになって、それで本国に『もう一度SILVERTAB™を復活させたい』というリクエストを何度もしまして、日本でSILVERTAB™が再び展開されることになりました」
ここからはSILVERTAB™の定番的なアイテムを紹介してもらおう。
「SILVERTAB™は“これが定番です”というものは存在していないのですが、日本で人気のSILVERTAB™といえば当時の『バギー』かと思います。今季展開している中では『ルーズフィット』と『バギーカーペンター』のデニムパンツになると思います。
SILVERTAB™を代表するフィットのひとつであるルーズフィットは全体的にゆとりがありながらも、裾に向かって細くなるテーパードになっているので足元が引き立つのが魅力のシルエットになっています。1990年代を感じさせる雰囲気のあるジーンズです。足元にボリュームを出しながら穿いていただくのをオススメしています」
「もうひとつ今季のSILVERTAB™を代表するフィットであるバギーカーペンターはミッドライズで、動きやすくゆったりとした太もも回り、裾まで太さを保ったストレートシルエットになっています。今シーズンはハンマーループやユーティリティポケットといったカーペンターのディテールを備えているのが特徴です。コットン100%で見た目のみならず耐久性も優れているので、ガシガシ穿いていただきたい1本です」
1980年代~1990年代の雰囲気を感じられるオリジナリティ
現代のSILVERTAB™は1980年代~1990年代のリバイバルアイテムを作っているわけではなく、全てオリジナルでデザインされたアイテムだという。そのデザインワークについても引き続き伺っていこう。「当時のテイストは残しながらも 、要所要所でブラッシュアップしながらデザインされているので、1980年代~1990年代当時の雰囲気はありつつも、今っぽさを感じられるのではないでしょうか。
Levi's®のトレードマークともいえるヒップポケットの『アーキュエイトステッチ』は施さず、バックパッチのデザインも今シーズンから新しいものになり、さらなるオリジナリティが表現されていると思います」