ブランド誕生秘話から、2024年AWの新作まで、MARMOT CAPITALの魅力に迫っていこう。
Marmotのルーツはアルピニストに向けたギア作り
Marmotは1974年にカリフォルニア州でスタートし、現在に至るまで、そこから世界に向けて展開されているアウトドアブランドだ。Marmotのルーツは学生の山岳部向けに作った寝袋などのギアを作ったところからはじまり、1976年には、どのアウトドアブランドよりも早くGORE-TEX素材を取り入れたことでも知られている。
現在では規模も大きく、豊富なジャンルのアウトドアギアを扱っており、多くのアルピニストに支持されているブランドという印象だ。
ディレクターはモデルでクリエイターの菊乃氏
Marmotのルーツに触れ たところで、ここからは今回紹介するMARMOT CAPITAL誕生のお話をしていこう。日本独自のクリエイションを取り入れたMarmotの新しいブランドを作ろうと、新たなプロジェクトが動きはじめた。いままでのMarmotにはないものにするために、1人の人物をディレクターとして迎えた。その人物は、モデル、デザイナー、動画クリエイターなど多方面で活躍する菊乃(きくの)氏だ。
“High & Low”な菊乃氏のセンス
菊乃氏の持っている“High & Low”なセンスが、MARMOT CAPITALには色濃く反映されている。ラグジュアリーからストリートまでそれぞれの良さをよく知り、それをミックスさせるバランスの素晴らしさ、色使い、素材使いなどのセンスの良さは、SNSや動画サイトの菊乃氏の普段の着こなしから見てとれる。そんな感覚をアウトドアウエアに落とし込めば、ほかにはない面白いものができるということで、ブランドは動き出した。
アメリカ軍のECWCS(エクワックス)システムを取り入れたコレクション
MARMOT CAPITALはECWCS(エクワックス)[1]というアメリカ軍のレイヤリング(重ね着)システムを取り入れたコレクションになっていて、ロングスリーブTシャツや、スウェットシャツからはじまり、軽いものから段階的にヘヴィーアウターまでレベル分けされ、レイヤリングによって防寒性が高くなる内容になっている。さらにもうひとつのキーワードとして、“Back to Basic(バック トゥ ベーシック)”という1970年代、1980年代、1990年代、2000年代のアーカイブか ら、菊乃氏がピックアップしたアイテムをリファレンスしたものがラインナップされている。
Marmotの名品「MAMMOTH DOWN(マンモス ダウン)」をリ・デザインし、今シーズンのアイコニックなアイテムに
ここで2024AWのアイテムをいくつかピックアップして見ていこう。最初にLEVEL6と設定したレイヤリングで一番レベルが高いヘヴィーアウターから紹介したい。1980年代に登場したMarmotのアイコニックなダウン「MAMMOTH DOWN(マンモス ダウン)」をベースに、丈を大胆に短くリ・デザインした「WINDSTOPPER LIGHT MAMMOTH JACKET(ウィンドストッパー ライト マンモス ジャケット)」というアイテムで、より軽快にタウンユースとして映えるようなデザインになっている。着丈の短さもさることながら、独特な色展開も特徴的だ。
生地は“GORE-TEX WINDSTOPPER(ゴア テックス ウィンドストッパー)”というメンブレン[2]を貼り合わせた2層素材で、高い防風性、優れた透湿性と耐水性を備えている。
ダウンは750フィルパワー[3]のものを用い、アウトドアでも充分に暖かさと快適さを保つものに仕上がっている。