バレエシューズの代名詞「
Repetto(レペット)」は、1947年にパリで創業したフランスの老舗ブランドだ。当初はプロのダンサー向けバレエシューズとして人気を博し、1959年にパリで初のブティックをオープン。その後、世界的なラグジュアリーブランドへと成長を遂げた。
現在では100店舗以上を展開し、シューズだけでなくウエアやバッグまで手がけるが、その生産には今なお伝統的な職人技術が息づいている。
バレエシューズをファッションアイテムとして確立した功績は大きく、今回はパリ本社で、プロダクト・マーケティング・ディレクターのアガト氏に、ブランドの歴史から製法まで詳しく話を伺った。
PROFILE|プロフィール
アガト・ブロンデル・ドゥ・ジョワニー(Agathe Blondel de Joigny)
Repetto プロダクト・マーケティング・ディレクター
伝説の女優が生んだ、街履きバレエシューズの誕生
創業78年を迎える「Repetto」の誕生秘話を教えていただけますか?
「Repetto」の物語は、一人の母親の愛から始まりました。設立者のローズ・レペット(Rose Repetto)は、主役を飾るプリマバレリーナであり振付師だった息子ローラン・プティ(Roland Petit)のために、特別な履き心地のダンスシューズを作っていました。息子からの勧めを受け、彼女はパリ国立オペラ座近くに小さなアトリエを開設。そこで誕生した「Repetto」のシューズは、過酷な練習で足を痛めるダンサーたちの間で口コミが広がり、アトリエはたちまち活気に満ちあふれました。