スマートウォッチが市場を席巻する今、昔から変わらぬスタイルで多くの人に愛されてきたデジタルウォッチがある。
決して派手な機能や突出したスペックを持つわけではない。それでも時代やトレンドを超え、人々を惹きつけてやまない“何か”が存在している。
その魅力を探るべく、タイメックスの日本総代理店でPRを担当する
ウエニ貿易の中田俊介さんに話を聞いた。
PROFILE|プロフィール

中田 俊介(なかたしゅんすけ)
ウエニ貿易 タイメックス PR
映画・家電業界での広告プロデューサーを経て、2013年にウエニ貿易へ。以来、約20ブランドの時計のマーケティング&コミュニケーションを担当。
高品質な懐中時計で名を馳せた時計メーカーが起源
昨年、創業170周年の節目を迎えたタイメックスのルーツは、コネチカット州ウォーターベリーに設立された時計の製造会社にある。「会社が創業した1854年当時は、まだ床やマントルピース(暖炉の周りの飾り棚)に置く大型の置き時計が主流で、懐中時計さえもまだ一部の富裕層だけが手にできる高価な嗜好品でした。
ウォーターベリーは全米でも随一の真鍮加工品の産地として知られており、タイメックスはこの地の真鍮加工技術を駆使して、高品質な懐中時計の大量生産に成功しました」
1890年代の懐中時計「ヤンキー」。“ドルを有名にした時計”と言われ、作家のマーク・トウェインにも愛用された「1917年、タイメックスは第1次世界大戦に参戦したアメリカ軍にミリタリーウォッチを納入しました。その後、1933年のシカゴ万博では世界初となるミッキーマウス・ウォッチを発表し、空前のセールスを記録しました。