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ジャケットもスラックスも1,990円! 価格と機能で常識を覆すワークマンの“やみつき冷感”スーツが、夏場の救世主となる
ワークマンはこれまで、多彩なアプローチで「酷暑から身を守る」ための商品を世に送り出してきた。その商品はワークウエアをはじめスポーツ、アウトドア、日常服まで多岐にわたり、いずれもユーザーから高い評価を得ている。
そんな暑さ対策のノウハウを投影した新たなアイテムが、今回紹介する「やみつき冷感ストレッチジャケット」および「やみつき冷感ストレッチスラックス」である。暑熱に対する機能に加え、高いストレッチ性による動きやすさと家庭用洗濯機で洗えるイージーケアで、夏場のストレスを全方位的に解消してくれる一着だ。
そのうえで、どちらも1,990円という低価格を実現した。開発を担当した半田峻也さんは、「高い値段を意識してスーツの購入をあきらめる。そういう状況をなくしたかった」と語る。本作の優れた機能とデザインの向こう側に、ワークマンの価格に対する揺るぎない哲学が垣間見えた。
スポーツウエアから転用した生地
モデル名にある“やみつき冷感”の秘密は、やはり生地にあるのでしょうか。
ナイロン80%、ポリウレタン20%の生地を使用しています。そのナイロン繊維に接触冷感機能が備わっているんです。ポリウレタンはストレッチ性を高めるための素材です。実はこの生地は、ワークマンのスポーツウエアカテゴリーの商品ですでに採用しているものなんです。それを今回、ジャケットとスラックスに転用したというわけです。

オリジナルで開発した生地ですか?
はい、オリジナルです。ワークマンでは1アイテムの製造数がおよそ2万点以上に上ります。それだけの数になるとスケールメリットが生まれるので、その製品に適した素材や生地をオリジナルで作ることできるんです。接触冷感以外に、どんな機能が備わっているのでしょうか。
高いストレッチ性、UVカットです。シワがつきにくい、型崩れしにくい、そして洗濯機で洗えるイージーケアというのも特徴です。
スポーツウエア用の生地でジャケットやスラックスを作るにあたり、何か苦労した点はありましたか。
元々がスポーツウエア用に開発された生地ということもあり、比較的柔らかいんです。でもこうしたスーツは見た目の「パリッと感」が大事ですよね。そこで柔らかい素材でも、しっかりとした印象に見えるようなパターンワークを研究しました。スーツは、一般的なカジュアルウエアとは作り方が大きく異なります。プロの技術とノウハウがなければ、良いものを作るのは難しい。今回は、他社で長くスーツを手掛けてきたパタンナーが製作チームに在籍していたので、その技術を十分に反映した商品を作ることができました。
子どもの参観日にちょうどいい「きちんと感」
では、このスーツの具体的な特徴を教えてください。
軽い着心地を実現するため、ジャケットもスラックスも裏地なしの一枚仕立てにしました。ジャケットにはカジュアル度の高いパッチポケットを採用しています。このパッチポケットのおかげで、休日にビジネススーツを着てしまったような違和感はありません。ジャケットのフロントは2ボタン、裾はノーベントです。生地自体が縦横にストレッチするので、ベントを入れる必要がなかったというわけです。

スラックスもカジュアルな仕様ですね。
スラックスはノータックです。これも、カジュアルなコーディネートに馴染むようにしたいというのがその理由です。ウエスト脇にゴムを配置し、中にドローコードを入れているので、ベルトなしでも着用できます。

右脇にはファスナー付きポケットもありますので、大事なものはこちらに入れるといいと思います。車の乗り降りのときなどにも、中身が落ちる心配がありません。

ビジネスタイムから休日まで、幅広いシーンで活躍してくれそうです。
いわゆるビジネスカジュアルのセットアップで、きれいめでありながら堅すぎない雰囲気が魅力だと思います。いわば「子どもの参観日に着ていくのにちょうどいい感じ」ですね。となると、想定するユーザー層はやはり働き盛りの男性でしょうか。
30代後半〜40代の男性をイメージしました。お子さんにお金がかかる、なおかつできるだけお金をかけたい世代だと思います。必然的に、自分が身につけるものはどんどん後回しになっていく。それでいて、仕事に行くときの服にも気を配らなくてはいけない。そんな世代の選択肢にこうした低価格のスーツが入ってくれば、きっと喜ばれるだろうと思ったのです。
安くすれば、ユーザーがチャレンジできる
では改めて、本作の開発の経緯を教えてください。
暑い時期でも着用が苦にならないスーツがあれば、お客様に喜んでもらえるはず。単純ですが、そう考えたのが開発のきっかけです。そのとき「すでにスポーツウエアに採用している、接触冷感の生地が使えるのではないか」と思いました。着想からおよそ1年で製品化にこぎつけました。
ユーザーのほうから「涼しいスーツが欲しい」といった声は上がってきたのでしょうか。
大なり小なり、お客様からのリクエストはありました。それに応えるため、ポイント的に「涼しいスーツ」を作ってきた経緯はあります。ただジャケット単体、スラックス単体で3,900円といった価格でした。つまり今回の商品よりもずっと高額だったんです。3,900円でも十分にリーズナブルだと感じますが、さらなる低価格を目指した理由とは?
ワークマンの店舗に並んだ商品の中で見ると、3,900円という価格はやはり高いなという印象があります。でもジャケット、スラックスがそれぞれ1,990円台であれば、合わせてスーツとして購入してもまだ安いと思えるじゃないですか。価格を安くすることで、着てみたい服にチャレンジできる。選択肢が広がる。今回のスーツに限らず、価格を追求してポジティブな状況を作り出していくことは、ワークマンがとても大事にしている点なんです。
実はカーキグリーンとベージュという色を用意したのも、価格と密接に関係しています。着用シーンが限定されるこういった色は、2万円、3万円という金額感ではなかなか選べません。でも1,990円台であれば、躊躇することなく試すことができると思うんです。
──機能性と価格、その両立を突き詰めた今回のセットアップは、「スーツは高いもの」という常識を覆する一着だ。
暑さに対応する実用性と、誰もが手に取りやすい価格。その組み合わせが、服選びのハードルを下げ、新たな選択肢を生み出している。
PROFILE

半田峻也(はんだ しゅんや)
ワークマン 製品開発部
Text by Tomoshige Kase




