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2024.08.13

水原希子やNewJeans、IVEを虜にするTomoya Nakagawa 3Dプリンターで創るネイルアートの世界

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Y2Kやバッグチャーム、バレエコアなど、近年のさまざまなファッショントレンドを生み出してきたK-POP。MVは数千万回規模で再生され、その中に登場する衣装は毎度注目の的となる。そんなMVのオリジナルネイルやアクセサリーを制作している日本人アーティスト、Tomoya Nakagawaをご存じだろうか。
2020年に独学で3Dプリンターを使用したネイル制作を開始後、BjörkやChloe x Halleのクリエイティブチームに見出され、水原希子をはじめとした著名なファッションアイコンが愛用。現在はNewJeans、IVE、LE SSERAFIM、XGなどのK-POPスターともコラボレーションを続けている。
今回は、そんなTomoya Nakagawa氏に制作スタイルやコラボの裏側、生き方を聞いた。
PROFILE|プロフィール
Tomoya Nakagawa
Tomoya Nakagawa

東京生まれ。高校中退後、会社員やアパレルなどを経験。2015年に起業したのち2019年に漁師に転職。現在はニューヨーク在住、主に3Dプリンターを使ったネイリストとして国内外で活動する。

K-POPの圧倒的なスピード感

Tomoya Nakagawaさんの活動について教えてください。
ネイル・ヘアピース・ヘッドピースなどのオリジナルアイテムを創作しながら、アーティストの衣装やMV、ファッションブランドなどのプロモーションに協力しています。デザインは主にCADソフト、造形は3Dプリンターで行い、微調整と塗装は手作業です。
最近ではK-POPアーティストへの作品提供で知られています。さまざまなグループとコラボレーションが続いている理由は。
韓国のミュージックシーンは新しい感性を常に求めていて、ものすごく柔軟です。K-POPとの最初の仕事は、NewJeansがオンラインゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』とコラボした際、ビジュアルで身に着けるヘッドピースとネイルチップだったのですが、その仕事のあと、一気に幅が広がりました。
「こういうアイテムが欲しい」「こんなものも作れる?」と、現場のインスピレーションからどんどん作ったことのないもののオーダーが増えていくんです。全体の進め方が「パリパリカジャカジャ!(韓国語で「早くやろう」の意味)」という感じ。デザインを1日で仕上げて、2日で新しいアイテムの納品をすることも珍しくないくらい。撮影してからMVが公開されるまでが速く、韓国の独特なカルチャーだと思います。
勢い著しい、K-POPらしいスピード感です。IVEの『Accendio』のMVでは、プリンセスと悪役の2パターンのアクセサリーをデザインしていますね。
『Accendio』の1つ前のMV『HEYA』のアクセサリーを作ったとき、同時に依頼を受けた別の種類のヘアピースがアルバムのコンセプトフォトに使用されました。そこからMVに参加することになったんです。
IVEはジャパニーズアニメの「魔法少女」のようなイメージを持っていて、それを自分らしくアレンジしてデザインを進めていく過程で、悪役のヘアピースのオーダーが来ました。そのときに、手につけるガントレットのようなアクセサリーも追加されていたんです。
『Accendio』に使用された2種のヘアピース
『Accendio』に使用された2種のヘアピース
IVEの1ST WORLD TOURで、このプリンセスのヘアピンがグッズとしてリリースされることになりました。IVEのファンに届くことが楽しみですね。

デジタルと手作業のバランス

制作環境について教えてください。
私のような制作スタイルは誰でも始めやすく、表現の自由度も高いと思います。
造形は『ZBrush』というモデリングソフトを使っています。3Dモデルの形状をブラシツールで直感的に変えていくソフトで、デジタル上で粘土をこねていくような作業ですね。
ZBrushでの制作画面。XGの『WOKE UP』MVで使用されたクラウンだ
ZBrushでの制作画面。XGの『WOKE UP』MVで使用されたクラウンだ
『ZBrush』で作った3Dモデルを出力する3DプリンターはFormlabsの『Form 3』です。小さなネイルチップから頭に載せるクラウンくらいの大きさまで出力できるモデルで、私の作品はすべて『Form 3』で作っています。
最後に、出力されたサポートを取り除いてスプレー塗装していきます。ここからは手作業で、一番時間もかかる工程です。
塗料はさまざまですが、私の作品に欠かせないのは『SHOW-UP』というメーカーです。
板金塗装からスタートした日本の塗料メーカーで、特にシルバーの輝きがすごい。塗装しては乾かし、その上から塗り重ねることできれいなグラデーションを出したら完成です。
こうした制作方法はどのように学んだのですか。
現在のスタイルはほとんど独学です。私は最初からクリエイターを目指していたわけではありませんでしたから。
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