80年代末期から2000年代初頭にリリースされた、ごく普通のフリースやダウン、カーゴパンツ。量販ブランドの“何気ない日常着”が、今改めてファッションシーンで光を帯びている。高級でも尖ってもいない。しかし、そこにしかない空気と質感、時代性があるのだ。
そんなユニクロのヴィンテージにいち早く注目し、独自の審美眼で集め続けてきたのがコレクターのミフラさんである。大量生産の象徴と語られてきたユニクロに、なぜ彼は価値を見出したのか。そしてなぜ今、オールドユニクロがカルチャーとして再評価されているのか。その理由を掘り下げる。
PROFILE|プロフィール
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ミフラ
1998年生まれ、山梨県出身
普段はシューズデザイナーとして働く。
ひょんなことからオールドユニクロにハマり収集と研究を始める。
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古着をきっかけにハマったオールドユニクロの世界
昨今のヴィンテージブームと呼応するように広がりを見せる「オールドユニクロ」。現在27歳のミフラさんは、いつ頃からその魅力に気づいたのだろうか。「小さい頃、ユニクロは“親に連れていかれる服屋”というイメージで、特に思い入れがあったわけではありませんでした。意識し始めたのは大人になってからで、5年ほど前にリサイクルショップで現行とは違うタグのアイテムを見つけたんです。
『あ、このタグ、親が部屋着にしていたやつだ』とふと思い出したのがきっかけで、そこから少しずつ掘り下げるようになりました」