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2024.11.14

ホースハイドのレザージャケットといえば「Aero Leather(エアロ レザー)」そのクオリティの高さに迫る

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※音声読み上げ機能はAI生成のため、
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レザージャケットはタフで長年着られて、良質なものがいい。そう思ったとき、おすすめしたいのが“ホースハイド”(馬革)で作られたロンドン生まれの「Aero Leather(エアロ レザー)」だ。50年ほどの歴史があり、世界で初めてホースハイドを使用したレザージャケットを作ったブランドとして知られている。
今回はAeroLeatherClothingJapan(エアロレザージャパン)株式会社 代表の土屋 洋(つちや ひろし)さんに取材させていただき、ブランドの歴史や、定番的なアイテム、さらにはホースハイドのお話などを伺った。

創業者はビートルズやエルトンジョンを顧客に持つ有名デザイナーだった

「Aero Leather Clothing Ltd.(エアロ レザー クロージング社)はイギリスロンドンで1975年に創業します。創業者のKen Calder(ケン・カルダー)という人物は1960年代初頭からデザイナーとして活動しており、顧客にはビートルズ、ローリングストーンズ、エルトン・ジョン、ジミ・ヘンドリックスなど1960年代を代表するアーティストが名をつらね、当時からすでに有名なデザイナーだったといえる存在でした。
Ken氏は1975年The Thrift Shop(ザ スリフト ショップ)を同じくロンドンにオープンし、『Type A-2』などの中古USAミリタリーレザージャケットをリメイクして販売したところ大ヒットし、その後オリジナルでレザージャケットを作製します。これがAero Leatherのルーツになっています。1981年ごろのお話です」
Ken Calder氏
Ken Calder氏

世界でもっとも品質の良い馬革を使用したレザージャケット

レザージャケットの作製に着手したKen氏は1986年、世界で初めてホースハイドを使用したレザージャケットを作り出す。そこから現在までの“Aero Leatherいえばホースハイド”というイメージが構築されるきっかけとなっていく。
ここからはキーワードとなっている“ホースハイド”とAero Leatherのものづくりについて見ていこう。
「Aero Leatherで使用されるホースハイドは世界的にも有名で、100年以上の歴史を持つ老舗タンナー『HORWEEN LEATHER CO.(ホーウィン社)』が『CHROMEXCEL®(クロムエクセル)』という独自の鞣し製法により作り出す世界最高級のレザー『FQHH(フロントクオーター・ホースハイド)』が使われています。このFQHHは個性的で格別のエイジングが楽しめるのが特徴となっています」
HORWEEN LEATHER CO.で鞣された革
HORWEEN LEATHER CO.で鞣された革
「そしてAero Leatherの製造工程では、熟練工により革の選別、手作業での革・ライニングの丁寧な裁断を行い、一人のミシン職人が一着を縫い切るという工程で作られています。その後は品質管理者が28箇所にも及ぶ審査をしたのち、合格したジャケットのみが出荷されます。
大量生産化はありえないという考え方で、品質最優先の体制を貫き、本物の製品を極める努力をしています。職人一人ひとりがクラフトマン・シップを持ち、そこから生まれる製品にプライドを持っています」
Aero Leatherの定番的アイテムをピックアップ
Aero Leatherの定番的アイテムをピックアップ
ここからは名品揃いのAero Leatherのアイテムから、ホースハイドを使った選りすぐりのレザージャケットを3つに絞って紹介したい。1つ目は先ほども触れた「USAF Type A-2(ユーエスエーエフ タイプ エーツー)」から見ていこう。
「1931年から1943年まで70万着ほど生産され、20世紀のガーメントにおいてもっとも重要で、もっとも影響力のあったジャケットがこの『USAF Type A-2』だと思います。
エアロレザージャパンでは中でも最も「本来」のA-2らしい『Contract No. 38-1711P』という初期型を中心に展開しています。
1941年まで採用されていた台襟に、手縫いの襟フックとカフ・ウエスト部(袖口)のトップステッチが入ったデザインになっています。これは1938年までのみられた仕様を再現したもので、ジッパーはピンロック式のものがついたディテールに仕上がっています」

2つの定番的なモーターサイクルジャケット

さらにダブルのモーターサイクルジャケットも見ていこう。
1920年代、軍服のトレンチコートの裾を切り捨て、軍用バイクに跨ったのが、いわゆるダブルのモーターサイクルジャケットのはじまりとされている。1950年代、モーターサイクルジャケットはレザー製となり当時のバイカーにはマスト、ノンバイカーの若者にはワイルドなファッションアイテムとして熱狂的に流行したという。
数あるモデルの中からクラッシックな「Vincent(ビンセント)」を紹介してもらおう。
「当時のビンテージともいえるクラッシックデザインを踏襲しつつさらに現代のテイストを加えてリファインしたのがこの『Vincent』というモデルです。横一文字の胸ポケットや印象的なDポケットがクラシカルな雰囲気を醸し出しています。シンプルを基調としているため、エポレットや背中のアクションプリーツ、ベルトはあえて削ぎ落としています」
最後にもうひとつの定番的アイテム「Bootlegger STF(ブーツレガー エスティーエフ)」を紹介してもらおう。
このモデルはAero Leather JapanとAero Leather Scotland(エアロ レザー スコットランド)の共同製作だという。
「このモデルは、丈を切った軍服のトレンチコートをミリタリーのテイストは残したままAero Leatherがモーターサイクルジャケットとして具現化した『Bootlegger(ブーツレガー)』です。キラキラした飾り物は一切なくシンプルでさりげなくファッショナブルなデザインになっています。
そして『Bootlegger STF』はこのBootleggerの“STF(スーパータイトフィット)”バージョンになります。洗練され絞り込まれたスーパータイトなシルエットと着用感で、都会的&クールな雰囲気で着られるアイテムです」

最高のロケーションAero Leather Japan

Aero Leather Japanは標高1,550m 信州・蓼科(たてしな)の女神湖のほとりにある。ウッディーで大きな建物はそのロケーションとも相まって存在感を放っている。都心ではないこのエリアを拠点に選んだお話を伺った。
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