1948年にパリで誕生した「
LONGCHAMP(ロンシャン)」。飽きのこない普遍的なデザインや軽くて丈夫な機能性の高さなどを理由に、世界中の人々から支持を集めている。日本では通勤・通学から旅行まで、さまざまなシーンで活用している人をよく見かける。
ロンシャンといえばレディースバッグを思い浮かべるが、もともとは“革巻きのパイプ屋”だったというから驚きだ。嗜好品からバッグを展開するに至るまで、ロンシャンはどのような道を歩んできたのか。ロンシャン・ジャパン株式会社の伊藤さんに聞いた。
パリの地で、職人による革巻きのパイプ屋としてスタート
ブランドが誕生した背景を教えてください。
ロンシャンは、ジャン・キャスグランとその家族でスタートしたブランドです。現在はレディースバッグのイメージが強いブランドですが、もともとジャンは両親が創業したパリのたばこ店を1926年に引き継ぎ経営していました。1945年に第二次世界大戦が終わり、ヨーロッパに駐屯していたアメリカ兵が引き上げる際、L字型のパイプがお土産として人気を集めたそうです。
そこに目をつけたジャンは、1948年にフランスのレザー製品ブランドとしてロンシャンを創業し、「ただのL字型のパイプではなく、フランスの職人技と融合できないか」と考え、革職人と組んで手張りで革を巻きつけました。当時は革巻きのパイプは非常に珍しく人気を博したようです。それが革製品を展開していくきっかけになりました。