今シーズンは登山・トレッキングが盛り上がり、たとえば昨年と同じ山に登ると人が増えたことを実感する。アウトドアに強いブランドやショップで取材すると売り上げが伸びたとどこでも耳にする。リュックサックにシューズ、レインウエアは山に必携のアイテムだが、つぎに用意すべきものはタイツではないか?
負担のかかる膝・腰をサポートしつつ、脚上げしやすいパターンメイキング
パンツ単体でも山を歩くことはできるが、タイツとショートパンツの組み合わせで山に行くと、歩きやすさと快適さを実感する。よく整備された登山道でも、石や岩、木の根などで大きな段差を上り下りせざるをえない場面に出くわすことは多い。フィットしたタイツのほうが、やはりパンツより脚さばきがしやすい。
「伸度の高いタイツの快適さを山で一度でも体験すると、そのメリットは捨てがたい魅力になりますね。さらに、サポート力の高いタイツを着用すると登山・トレッキングで重量や衝撃のかかりやすい部位の負担が軽減され、パンツより歩きやすいと感じる方が多いです」
シンプルで伸縮性のあるタイツから、テーピング のパターンを備えたサポートタイツまでショップに行くといろいろな種類のタイツがあり、一体どれを選べばいいか迷う。よく見るとテーピングにも、さまざまなパターンがあるようだ。
「どの程度の山を登るかということや、着用する方のコンディションにもよりますが、ブランドとしてトレッキングにおすすめなのは、負担のかかる部位のサポートと動きやすさのバランスがいい『フォーカスサポートロングタイツ』です。よりサポート力の高い商品もありますが、アウトドアでの活動についての知見を反映させて開発した山歩き用のタイツだからです。
リュックサックを背負って長時間、上り下りを伴う歩行をする際は荷物の重さが主に腰にかかるので、骨盤全体を覆うようにサポートを入れて腰をしっかり守るべきです。長時間の歩行によって、脚、特に太ももの筋肉が疲労することで膝周辺の筋肉や関節に痛みが生じやすくなります。膝回り、太もも、ふくらはぎにサポートがあると、脚の負担が軽減されて膝が守られます」
長時間のトレッキングを快適に続けられるベストなバランスを追求した
腰、膝回り、太もも、ふくらはぎのサポートは登山・トレッキングにおいて重要だが、上りで脚を上げる動作は太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)のサポートをあえて外したほうが行いやすいという。「守るべきところはサポート力を高め、動きやすさが必要なところは伸度を高める。そのために生地を切り替えた立体裁断にを採用しています。身体のラインに即した立体的な作りになっているので、違和感なくタイツが身体にフィットします。その状態で、サポートするべき部位には強い素材を使ってあり、脚の動作を妨げない伸度の高い素材を前後に配置しています。その上で膝の部分には転写のサポートを入れてテーピング機能を持たせました」
人によっては、脚全体に強いテーピング機能を備えたコンプレッションタイツが好みかもしれない。たとえば同社の「インパクトエアーロングタイツ」という、より多くの部位をサポートするタイプのものを山行に活用する人もいるが、快適な着用感で長時間のトレッキングを行うには「フォーカスサポートロングタイツ」がやはりおすすめだと小林さんは言う。
「フルサポートの『インパクトエアーロングタイツ』はトレイルランニングや、市街地でのマラソンに参加する方など、どちらかというと強い衝撃が足腰にかかる方に選ばれます。実は私もトレイルランニングが趣味なので、それもあってフルサポートのタイツを山でよく使いますが、多くの場合トレッキングや登山を快適に行えるのは『フォーカスサポートロングタイツ』だと思います」