2019年のブランド創設以来、オンライン販売のみという販売手法にも関わらず、口コミで話題が広がり、「欲しくても手に入らない」ブランドに急成長した「
ピオヌンナル(pionunnal)」。
韓国の伝統的な生地「ヌビ」を使った洗えるバッグは、ペアレンツバッグとして絶大な支持を集め、コロナ禍に伊勢丹新宿店で行われたポップアップでは、求める人の列が建物の外にまで及んだ。1週間分の在庫を3日で売り上げるなど、ポップアップとしては伊勢丹史上最高の集客となり、この記録は今も塗り替えられていないという。
なぜこれほどまで支持を集めるのか。ヌビの魅力からブランドのこだわりまでを、創業者の車琴仙さんに聞いた。
ステッチ幅で機能性が変わるヌビの面白さ
そもそも韓国の伝統的な生地「ヌビ」とは、どのようなものでしょうか?
韓国に伝わるキルトになります。元々キルトはモンゴル発祥で、その後、東と西に分かれ、それぞれ独自の文化として発展していきました。たとえばハワイアンキルトはヨーロッパからの流れだと言われています。「ヌビ」は、韓国の伝統工芸で、縦のステッチが特徴になっています。
なぜヌビを使おうと思ったのでしょうか?
ひとつは、私は日本生まれ、日本育ちですが、韓国にルーツを持っています。日本ではイブル(布団)として広まったヌビ生地は、私のルーツでもある韓国の伝統工芸でどの家庭にも必ずあるファブリックです。ヌビの使い勝手の良さをより知ってもらいたいと考えるようになり、「洗える」ファッションアイコンとしてバッグを作りました。