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2024.01.02

スーパーシューズはネクストステージに! プーマ「FAST-R NITRO ELITE 2」のポテンシャルに迫る

2022年に登場したPUMA(プーマ)の「FAST-R NITRO ELITE(ファストアール ニトロエリート)」(以下、FAST-R)は、前後に分割されたミッドソールと、それを繋ぐ橋のようにカーボンプレートが露出した大胆な構造、デザインが大きな話題となった。その機能性の高さが認知され、日本の実業団ランナー、大学生ランナーの間でも徐々にプーマを選択する選手が増えている。
2023年12月に発売されたFAST-R NITRO ELITE 2(ファストアール ニトロ エリート 2)」(以下、FAST-R2 )は、革新的な前モデルからさらなる進化を遂げているという。一体、どんなテクノロジーが秘められているのだろうか。
フォーム素材、プレート形状が刷新されたファストアール ニトロ エリート 2。35,200円(税込)
フォーム素材、プレート形状が刷新されたファストアール ニトロ エリート 2。35,200円(税込)

フォーム素材が格段に進化。エネルギーリターンは最大約89%

まずは、プーマのランニングシューズの大きな特徴であるNITRO FOAM(ニトロ フォーム)についておさらいしておきたい。
反発性の高さと軽量性に定評のあるNITRO FOAMは、TPEE(ポリエステル系熱可塑性エラストマー)をベースとし、窒素ガスを加えることで反発性を向上させている。エネルギーリターンは最大約77%。窒素の量などを調整することで、プロダクトに合わせて、硬度や反発性を調整しているという。
NITRO FOAMをベースに、短距離スパイクのアウトソールにも使用されているPEBAX(ペバックス)という素材を組み合わせることで、さらにエネルギーリターンを高めたのが、NITRO ELITE FOAM(ニトロ エリート フォーム)。エネルギーリターンは最大約83%だ。
FAST-R 2に採用されているのはNITRO ELITE FOAM。しかし、従来のNITRO ELITE FOAMとは中身が異なっているという。
「新しいNITRO ELITE FOAMは、Aliphatic TPU(アリファティック ティーピーユー/脂肪族 熱可塑性ポリウレタン)をベースとした最先端のイノベーションによって生まれた素材で、エネルギーリターンは最大約89%となります。最高クラスのフォーム素材です。
前作FAST-Rは前足部に従来のNITRO ELITE FOAM、踵部にEVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)を採用していましたが、FAST-R 2は前足部、踵部の両方に新しくなったNITRO ELITE FOAMを採用しています」と、プーマ ジャパン ランニング商品企画担当の安藤悠哉さん。
フォーム素材の劇的な進化により、FAST-R 2は大きなエネルギーリターンが得られるシューズへとアップグレードされたのだ。
ミッドソール前足部、踵部の両方に新しくなったNITRO ELITE FOAMを採用。エネルギーリターンが向上した
ミッドソール前足部、踵部の両方に新しくなったNITRO ELITE FOAMを採用。エネルギーリターンが向上した

爪先の、さらに先まで延びたカーボンプレート

前後に分割されたミッドソールと、それを繋ぐ橋のようにカーボンプレートが露出した大胆な構造は前作同様なのだが、プレートの姿が見えるのは中足部だけではない。なんと、爪先の、さらに先までプレートが延びて露出している。
「突き抜けたパワープレートにより、パワフルな推進力と高いランニングエコノミーを実現しています。プレートがスムーズな体重移動をガイドしてくれるだけでなく、踏み込んだ際に力が最大限伝わるようプレートの角度もデータに基づいて設計されています」
指の先までプレートが延びたことで地面に力を伝達しやすくなっている
指の先までプレートが延びたことで地面に力を伝達しやすくなっている
アッパーにはプーマ独自の軽量ウーブン素材、ULTRAWEAVE(ウルトラウィーブ)を採用。足に吸い付くようにフィットし、通気性にも優れている。HEEL FIN(ヒールフィン)と呼ばれる外付けのヒールカウンターとの相乗効果で、足とシューズの一体感が得られる。
今回、FAST-R 2は、駅伝ランナーの襷への想いを込めた「EKIDEN RUSH PACK(エキデン ラッシュ パック)」のうちの1モデルとして登場した。カラーリングは、個性と速さを表現したエネルギッシュでサイケデリックなカラーを採用。ディテールにも“駅伝”らしさが散りばめられている。
「アッパー内側には駅伝ランナーの力の源となる襷をモチーフにしたデザインになっています。また、アッパーの外側、踵部分には富士山と日の丸をモチーフにしたアイコンがあしらわれています。100の数字には、100%の力を出し切るという意味が込められています」
第三者機関とともに行われたFAST-RとFAST-R 2の比較テストでは、ランニングエコノミーが1.3%向上、ストライドが1.2%長くなるという結果が得られたという。フルマラソンを走った際、2時間30分で走るランナーなら1分24秒、3時間30分で走るランナーなら2分30秒の短縮が期待できるそうだ。
襷をモチーフにしたデザイン。開発はグローバルだが日本の声をインプットしてデザインされたという
襷をモチーフにしたデザイン。開発はグローバルだが日本の声をインプットしてデザインされたという
ランナーが100%の力を出し切れるようにとデザインされたアイコン
ランナーが100%の力を出し切れるようにとデザインされたアイコン
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