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2024.08.02

プロアスリートの声を生かした製品作り 日本発のリカバリーサンダルブランド「rig」の魅力

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ここ数年、ヨガやジョギングなどのアクティビティブームに伴い、リカバリーアイテムが普及している。運動後に蓄積した疲労を、可及的速やかに回復させるためのウエアやシューズが数多くリリースされているのだ。
rig(リグ)」もそんなブランドのひとつ。2019年に、日本初のリカバリーサンダルブランドとして誕生し、これまでに多くのサンダルやフットウエアを展開している。いずれのモデルも、日本人の足型の特徴に基づいたフットベッドを採用し、衝撃吸収性が非常に高く足腰のストレスを開放して疲労の回復を促すという。
今回は株式会社mesuttaでrigのディレクターを務める栗原巧さんに、ブランドの誕生秘話やプロダクトの特徴、アスリートとの取り組み、さらにはブランドとしての今後の展望について聞いた。
PROFILE|プロフィール
栗原 巧(くりはら たくみ)

「rig」ディレクター
米国ブランドの日本代理店として2013年に株式会社「mesutta(メスタ)」を設立。

日本人の足型に合うように設計

2019年に日本初のリカバリーサンダルブランドとして誕生しましたが、その経緯を教えてください。
会社を立ち上げてから年に数回、米国へ新商品を探しに行っていたのですが、2015年に渡米した際、某ブランドのリカバリーサンダルを紹介されました。サンプルをいただいたところ、私の足型に合わず、歩きにくい印象を受けました。そこで、日本人と欧米人との足の違いを調べ始めたのがきっかけです。
当時まだリカバリーという考えは日本では浸透していませんでしたが、リカバリーウエアが徐々にスポーツ業界に出てきていた時期だったこともあり、数年の開発期間を経て、2019年にブランドを発表しました。
日本人にとってもっとも快適になるように設計しているとのことですが、どういった点を工夫していますか?
日本人は比較的足幅が広くて甲高な人が多いです。これに対し欧米ブランドのサンダルを日本人が履くと、通常のサイズでは小さく感じる上、甲部分にサイズを合わせるため、つま先が前に出すぎて、つまずきやすくなってしまうことが課題でした。
rigでは、そういった弱点を一つずつチェックし改善しています。まず大変だったことは、柔軟性がありゴムのように弾力性に富んだ素材である「発泡EVA(エチレン酢酸ビニル)」の硬度調整です。柔らかすぎても履いていて疲れますし、硬すぎると衝撃を吸収しない。
日本人の足の特徴である「幅広」「甲高」に着目したサンダル。「FLIP FLOP 2.0」7,920円(税込)
日本人の足の特徴である「幅広」「甲高」に着目したサンダル。「FLIP FLOP 2.0」7,920円(税込)
また、硬度とアーチサポート(健康的、理想的歩行をサポートする中敷き)の高さのバランスが悪いと痛みが生じたり、気持ちよく感じなかったりするのでその調整にも苦労しました。当時世界中で販売されていたリカバリーサンダルを片っ端から購入し、履き比べて、一番良いバランスになるように地道に調べました。
rigでは日本人の足のサイズに合うように硬さやアーチサポートを調整している
rigでは日本人の足のサイズに合うように硬さやアーチサポートを調整している
ちなみに現在は、どういったことに対し課題を感じていますか?
EVAやラバー、PU(ポリウレタン)などの素材をソールに使用するのですが、ここを柔らかくしたり軽量に仕上げたりすると耐久性が下がり、逆に耐久性を上げると重量が上がって硬くなるんです。このさじ加減が難しい。日々素材も進化していて、新たな配合のものが生まれているので、毎年素材のテストは行っています。耐久性や強度を保てる素材、形状などは日々勉強中です。
サンダルを作る際、特に意識していることはどんなことですか?
他のブランドがやっていない(できていない)ことで、なおかつユーザーが必要としている機能やデザインなどを考えています。他社でやっていることはそちらに任せて、同じような商品を作らないようには意識しています。

rigのサンダルが支持される理由

現在、さまざまなリカバリーサンダルが世に出ていますが、「rig」ならではの強みを詳しく教えてください。
衝撃吸収に特化しているソールを使用するブランドが多いような気がしますが、現在rigのソール素材は高反発のEVAを採用しています。高反発にすることで、アーチサポートが足裏をマッサージするように機能し、回復に不可欠な血流を促すのです。
シルエットやデザインに関しては、履き心地(ホールド感や脱ぎ履きのしやすさなど)を優先的に考えてはいますが、自分自身、シンプルで飽きのこないものが好みなので、その辺は意識しているつもりです。また、かなり難しいのですが、リサイクル素材も積極的に取り入れるようにしています。
着る服を選ばないシンプルなデザイン
着る服を選ばないシンプルなデザイン
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