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2024.09.24

RIMOWA(リモワ)の「Original」コレクションが アルミニウム製スーツケースの王様たる理由

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スーツケースを選ぶ際、どんな点を重視するだろうか。デザインや軽さ、持ち運びやすさなどさまざまな要素があるが、荷物を目的地まで安全に運べる“頑丈さ”は絶対に譲れないはずだ。
そこで真っ先に思い浮かぶのがRIMOWA(リモワ)の「Original(オリジナル)コレクション」である。1950年に初となるグルーヴデザインのアルミニウム製スーツケースを発売したRIMOWAは、その後、モデルチェンジを重ねてもその根本デザインを変えることはなく、Originalのスーツケースはブランドの定番アイテムとして定着した。
今回はタフなスーツケースの代名詞というべきOriginalの魅力を明らかにしよう。

世界初となるアルミニウム製のスーツケースを開発

RIMOWAの起源は1898年に創業者のポール・モルシェック氏がドイツのケルンに開いた旅行鞄の工房にある。彼は列車でバカンスに出かけるヨーロッパの上流階級の人たちに向けて、牛革や木材を使ったトランクを作っていた。
RIMOWAというブランド名を付けたのはポール氏の息子、リヒャルト・モルシェック氏。工房を継いだリヒャルト氏は1930年代に、自分の名前とドイツ語のWarenzeichen(商標)の頭文字をとって、ブランド名をRIMOWAと改めた。
1920年代に発売された初のアルミニウム製スーツケース
1920年代に発売された初のアルミニウム製スーツケース
アルミニウム製のスーツケースが誕生したのは、第1次世界大戦が終わった1920年代のこと。
当時、本社の近くの建物で火災が発生したが、その焼け跡を目にしたポール氏は、焼け焦げたがれきや木材の中に、ほぼそのまま残っていたある素材を発見した。アルミニウムだった。2代目のリヒャルト氏はこの素材の軽さと耐久性に注目し、スーツケースの開発に着手した。
1937年に発売された世界初のアルミニウム製スーツケースはレザーより軽く、そして頑丈そのもの。たちまち世界的なヒット作となった。
ただ、RIMOWAといえば、アルミニウムの外装に施されたグルーヴ(溝)デザインが有名だが、当初はフラットなアルミニウムが使われていたという。

アイコンのグルーヴデザインはドイツの航空機がヒントに

グルーヴデザインが考案されたのは1950年代。アルミニウムの表面にグルーヴ加工で凹凸を作り出す技術は、当時ドイツの最新鋭の航空機であった“ユンカースF13”の外板の設計技術から着想を得たものだ。
こうしてブランドのフラッグシップというべきグルーヴデザインのアルミニウム製スーツケースが産声を上げた。もともと衝撃や歪みに対する耐久性を高めるために作られたグルーヴデザインは、スーツケースに洗練されたイメージを吹き込み、同時にひと目でRIMOWAとわかるアイコン的な要素も付与した。
「Essential Check In M」H67.5×W44.5×D24cm 165,000円(税込)
「Essential Check In M」H67.5×W44.5×D24cm 165,000円(税込)
2000年にRIMOWAはポリカーボネート樹脂を使ったスーツケースを発売する。もともと航空機の窓に使われていたこの樹脂はアルミニウムよりも軽くて柔軟、かつ復元力があって破損しにくい、という優れた特性を持っていた。
この素材が使われた「Essential(エッセンシャル)」は爆発的な売れ行きを記録し、世界的に見るとアルミニウム素材のケースよりもポリカーボネート素材のEssentialの方が人気が高い、という国もあるほどの人気コレクションとなった。
ただ、Essentialの登場後も、Originalは変わらない人気を保ち続けたのだ。
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