気に入った白の無地Tシャツを着続けていたら、色が変わってしまった。そんな経験を持つ人は少なくないだろう。
新品のような白が持続する魔法のようなTシャツは、どのようにして生まれたのか。生みの親である同ブランドデザイナーが誕生秘話を語る。
PROFILE|プロフィール

吉屋 充(よしや みつる)
tangenet デザイナー
2003年にオンワード樫山に入社。メンズブランドのデザイナーとして活動後、2021年に独立し、タンジェネットをスタート。ほかにも、日本のものづくりの魅力を発信するために多彩なデザイン活動を行う。
タンジェネットは2021年にデザイナーの吉屋 充さんが設立したブランドだ。
「ブランド名の由来は『tangent(接点)』、『gene(遺伝子)』、『network(繋がり)』を組み合わせた造語から。人と人とが接点を持ち、繋がることで実現するモノづくりを通して、日本素材の技術や遺伝子を届けることを理念としています」
ブランドを立ち上げる前、吉屋さんは大手アパレル会社に勤務し、メンズブランドのデザイナーとして活動していた。
「在職中は、毎シーズン日本全国の生地の産地を巡って、いろいろなものづくりに携わりました。そうした経験を通じて、日本産のテキスタイルのクオリティは世界でもトップクラスであることを確信しました。洋服を通して、和のものづくりの力を知ってもらうことがブランドのミッションのひとつです」