ワシオ株式会社は、1955年の創業以来「世界から寒いをなくしたい。」をモットーに、防寒インナー「
もちはだ®」シリーズの試作開発を行っている兵庫県加古川市のメーカーだ。
「もちはだ®」の核となるのは、特許も取得した「鷲尾式起毛」と呼ばれる独自の技術である。今回は、この「もちはだ®」の特長と、そのアウターへの展開について
ワシオ株式会社代表取締役の鷲尾さんに聞いた。
PROFILE|プロフィール
鷲尾 岳(わしお がく)
株式会社ワシオ 代表取締役社長
1991年生まれ、兵庫県出身。大学卒業後は神戸の会社に入社、その後単身中国に渡り、日本酒等の輸入販売を行う事業の立ち上げに参画。家業の業績悪化を知り、2016年2月に帰国しワシオ株式会社に入社、直後の決算で過去最大級の赤字を計上。抜本的な経営改革を行い、その後1年で黒字化することに成功。これまで新ブランドの立ち上げやクラウドファンディングの実施、自身がMCを務めるラジオ番組の開始など活動は多岐にわたる。
暖かさの科学:空気の層を作るループ構造の秘密
「鷲尾式起毛」とは、繊維のループをカットせずに編み地に残したまま起毛させる独自の技術である。一般的な起毛生地がループを切断してけば立たせるのに対し、この製法は「編む」と「起毛する」を同時に行い、カットされないループがそのまま空気層を作り出すことで、極上の暖かさと肌触りを実現している。「一般的な防寒肌着は、繊維が湿気を吸収した際に生じる吸着熱を利用した“発熱”というアプローチが多いですが、『もちはだ®』は発熱ではなく“保温”します。
ループをそのまま残した状態で起毛させることで、生地の内側と外側の間に多くの空気の層が生まれます。この空気の層が、体温で温められた熱を外に逃がさず、かつ外からの冷たい空気を遮断する断熱材の役割を果たすのです。つまり、体本来の温度を“保温”するので、無駄な暑さを感じにくく、体温調節機能の邪魔にもなりません」