「夏はオイリーなのに、冬は乾燥する」「洗顔後はつっぱるのに、日中はテカる」など、複雑な肌不調に悩んだ経験が、誰でも一度はあるはず。
KANEBOは、肌不調の原因の一つに「皮脂」があることに着目をした。
「実は皮脂というのは、さまざまな要因が複雑に絡み合っていて、多くの会社が研究をしているものの、未だ解明されていないことが多いのです」と話すのはKANEBO商品開発担当の矢野愛美子さんだ。
そんななか、花王・カネボウ化粧品は長年の研究により、新たな皮脂へのアプローチを解明。従来の「皮脂の“量”に着目をした、ごっそり取り除く」という皮脂ケアとは違う、まったく新しい皮脂へのアプローチ「ターゲティング皮脂トラップ」技術を採用した化粧水「
カネボウ スキン ハーモナイザー」を発売した。
解明された皮脂の新事実や、「カネボウ スキン ハーモナイザー」のメカニズムについて、開発に携わった矢野さんと、PRの星野由紀さんに話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
矢野 愛美子(やの えみこ)
花王株式会社 化粧品事業部門 プレステージビジネスグループ KANEBO 商品開発担当
PROFILE|プロフィール
星野 由紀(ほしの ゆき)
花王株式会社 化粧品事業部門 プレステージビジネスグループ KANEBO PR担当
複雑に絡み合う肌悩みに焦点を当てて開発に着手
今回お話を伺う「スキン ハーモナイザー」では「闘う化粧水」とコピーを打つなど、独自の路線を歩まれているように見えますが、KANEBOとはどのようなブランドなのでしょうか?
星野ブランド自体は2016年に誕生したブランドです。2020年に「I HOPE.」というブランドメッセージを掲げてリブランディングをしました。このメッセージには、美ではなく、希望を発信するというブランドパーパスが込められています。
化粧(スキンケアも含む)をするというのは、単に外見を美しくすることではなく、化粧をしたときの自信やワクワク感によって、その人の未来や行動が変わり、それが社会をも変えていく。化粧品にはそんな力があるということを信じてものづくりをしています。
また、この思いはパッケージデザインにも反映されていて、凝縮した黒のなかから漏れ出す希望の光というのを、少しずらしたキャップやボトルの透明感などで表現しています。
「カネボウ スキン ハーモナイザー」が誕生した経緯を教えてください。
矢野まず我々はコロナ禍におけるマスク生活以降、肌の不調を感じている人が多くなっていると感じていました。そこで3000名以上に調査を行ったところ、3ヶ月以内に肌の不調や肌荒れを経験した方が、若年層を中心に7割に達しました。
また、肌悩みについて伺ったところ「混合肌のように部位によって乾燥と皮脂テカリが起こる」、「洗顔後は肌が突っ張るのに日中はテカる」など乾燥と皮脂、そして空間と時間という、さまざまな要因が複雑に絡み合った状態であることもわかりました。
そして、このような肌悩みは、気分が下がる、人に会いたくないなど、気持ちの面でも負のスパイラルを起こしていました。「こういうことはよくあることだから仕方ない」という諦めの声も多くありましたが、「希望」を掲げるカネボウとしては、終わらない肌不調や肌荒れに立ち向かいたいという思いで、化粧水開発のプロジェクトをスタートさせました。
さまざまなスキンケアアイテムがあるなかで、肌悩みに対して、化粧水というアプローチにしたのは、なぜでしょうか?
矢野今回の調査で、肌荒れや肌の不調が起きたときに、多くの人が置き換えていたということに加えて、化粧水は使用率が特に高く、そんなスキンケアの最初に使うアイテムだからこそ、化粧水で肌 悩みを断ち切り、肌が変わるということまでも実感していただきたいと考えました。他のスキンケア用品は変えずに化粧水だけ敏感肌用のものに変えたり、生理周期に合わせて化粧水を使い分けたりしている方もいらっしゃいました。化粧水で肌の悩みを解決できるのか、非常に難しい側面もありましたが、ニーズがある以上、化粧水でやりきろうということになりました。