近年「石けんオフメイク」というワードが広く認知され、これまで一般的なメイクを使っていた人も、ナチュラルオーガニックメイクに関心を持つようになっている。そんななか、「石けんオフメイクは本当にクレンジングがいらないのか」「石けんオフメイクだと肌がくすむ気がする」といった、疑問や懸念も絶えないようだ。
そこで、日本におけるナチュラルオーガニックコスメの第一人者として知られる
小松和子さんを取材し、「石けんオフメイク」の真髄とメイクのコツについて聞いた。
PROFILE|プロフィール

小松 和子(こまつ かずこ)
一般社団法人ナチュラルライフ&ビューティーアソシエ―ション代表理事
Naturalcosme Creative Directer、makeup artist
オーガニックコスメ業界の第一人者。多くの著名人、作品を手掛けるヘアメイクアップアーティストとして活躍する中、自身の化学物質過敏症をきっかけに、肌と化粧品に関する知識を学び、2008年からオーガニック・ナチュラルコスメプロデューサーとして転身。化粧品開発、講演、セミナー、企業研修、展示会プロデュース、イベント、店舗プロデュースなどを行っている。また、日本で最大のオーガニックの展示会コスメゾーンも監修。
ケミカルからオーガニック、そして石けんオフメイクへ
メイクアップアーティストとして長い経 歴を持つ小松さん。かつては映画やドラマのヘアメイクを多数手がける老舗「山田かつら」に所属後、26歳からフリーとして活動。20年にわたり撮影業界の第一線で活動してきた。「当時は、大手化粧品ブランドの“ケミカルコスメ”を使うのが当たり前でした。しかし30歳を過ぎたころから、原因不明の体調不良に悩まされるようになります。特に手の甲がみみず腫れになるほどかぶれる症状に悩まされましたが、当時はまさか化粧品が原因とは思い至りませんでした。
そんなある日、知人からお土産にもらったヨーロッパのオーガニックコスメを使ってみると、肌にしみたり痒くなったりしないことに衝撃を受け、これが大きなきっかけとなりました。以来、認証の有無だけでなく、不要な成分を含まず自然素材を生かしたコスメ全般へと探求を重ねていきます。メーカーと直接対話するうちに、『もっと使いやすく、心から満足できるものが欲しい』という想いが募っていきました」