マンハッタン・ソーホーのグリーンストリートに佇む「
Blue in Green(ブルーイングリーン)」。2006年に創業し、いまやニューヨーカーにとって日本製ブランドの“聖地”とも称されるこの店で、2020年からバイヤーを務めるのが濱野直城さんだ。
日本のアパレルブランドでの経験や自身の感性を武器に、デニム文化の本場・アメリカで独自の審美眼を発揮。日本のクラフトマンシップを世界に伝え続ける濱野さんに、現地で愛される理由、アメリカならではの買い物文化、そして自身の「ファッション観」について話を聞いた。
PROFILE|プロフィール

濱野 直城(はまの なおき)
Blue in Green バイヤー
日本大学卒業後、東京でファッションブランド店「NUMBER (N)INE」に勤務。ニューヨークに渡米後、2013年よりブルーイングリーンに勤務、マネージャーを務め2020年からバイヤーに就任。バイイングからイベントまで手がけている。
“熱狂的なデニム好きが訪れる店”からスタート
「ブルーイングリーン」店内に入ると、東京・中目黒の書店「COW BOOKS(カウブックス)」のトートバッグや岡山デニム、そして多彩な日本製の雑貨が並ぶ。日本ブランドが8割を占めるその品揃えで、週末には多様な層のローカル客でにぎわう。この店の創業は2006年。当初は日本のセルビッチデニムを扱うアメリカでも稀有な店だった。オーナーの福島さんが現在の物件に偶然出会ったことが開店のきっかけで、東京のアメ横などでデニムを仕入れてはメーカーに直接連絡し、取り扱いブランドを増やしていったという。