近年、環境負荷の少ない素材の使用やフェアトレードの推進など、“持続可能なファッション”の実現に取り組んでいるブランドは増えつつある。そのなかでも「
CLOUDY(クラウディ)」は異色の存在といえるだろう。
クラウディは、アフリカの民族柄や伝統織物を軸に、独自のアフリカンスタイルを提案するアパレルブランドだ。その根底にあるのは、アフリカの貧困問題の解決という強い意思。ものづくりは目的ではなく、そのための資金を生み出す“手段”にすぎないという。
クラウディが目指すものは一体何なのか? なぜアフリカなのか? 設立者である銅冶勇人さんにお話をうかがった。
PROFILE|プロフィール

銅冶 勇人(どうや ゆうと)
株式会社DOYA代表取締役
特定非営利法人 CLOUDY代表理事
1985年東京都出身。慶應義塾大学卒業後、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務しながら、2010年に特定非営利活動法人を立ち上げる。2015年に退職し、同年株式会社DOYAを設立。クラウディとNPO活動の両輪で、アフリカの教育と雇用創出に取り組んでいる。
「アフリカの人たちのためにではなく、共に」という思いが活動の原点
クラウディはアフリカの大地から萌芽した。「大学の卒業旅行で、ひとりでアフリカへ行きました。その滞在中にキベラというケニアのスラム街に行って、衝撃的な光景を目の当たりにしたんです。
住民たちは、病院もない、トイレでさえ200世帯にひとつくらいしかない環境で暮ら していました。便や尿は袋に詰めて窓から外へ投げ捨てている状況です。
街から抜け出しても、仕事もなければ、学校もありません。自分に何かアフリカにできることはないか、と考えるようになりました」