2020年代に 入り、メタバースに現れた「アバターを着る」という新しいファッションの形。そのカオティックな熱狂を象徴するムーブメントのひとつが、VRChatで行われる「集会」カルチャーだ。クローズドなサーバーに世界中から愛好家がアクセスし、おのおのアバターを披露しながら語り合う。そこにはパンデミックが生み出した異形の社交界といった雰囲気すら漂っている。
「サイバーパンク集会」。メカ化、人外化、巨大アバターは当たり前。朽ちかけた建造物とネオン広告、映画『ブレードランナー』のような荒廃した風景に、このうえなくゴージャスで挑発的な「改変(アバターをカスタマイズすること)」と、実験的なオリジナルアバターが行き交う。データ消費量はもちろん超重量級だ。
本記事では「サイバーパンク集会」主催者のDJ⑨氏にインタビュー。いままでの参加者たちの個性的なスタイリングを多数掲載。いま仮想空間で起きているアバターファッションの革命家たちの姿に迫った。
ファッションは、どこまで私たちの現実を拡張できるのだろう?
PROFILE|プロフィール
DJ⑨
現実/仮想/創作を漂うサイバーパンク野郎。
主な活動に「サイバーパンク集会」主催、メタバース内で撮影された映画『NINE-PREQUEL OF EMETH-』主演など。
「サイバーパンク集会」について教えてください。
VRChatで行っている「サイバーパンク」愛好ユーザーのための集会です。私を含む運営メンバーのインスタンス(個人サーバー)にリクエストして参加するクローズドなイベント。2020年4月に第1回を開催し、不定期開催で続けてきました。