まるでテディベアに包まれるようなスリッパと、上質なラグを纏うかのようなローブ。そんなアイテムと過ごす週末は、少し大げさなくらい贅沢で、どこかユーモラスだ。
この「居心地のよいクチュール(Cozy Couture)」というユニークなコンセプトを掲げる「KONTERFEIT」の設立者、ジェームズ・ラムに、ブランドの哲学と創造の裏側について話を聞いた。
創作の原点は、“冒険”と“安らぎ”というコントラスト
「高級感と快適さ、アート性と実用性。そのすべてを“あえて”同時に成立させたかったのです」ジェームズは自身のブランド「KONTERFEIT」をそう定義する。
カナダ・バンクーバーで育った彼は、幼い頃からスノ ーボードで山を駆け巡る活発な少年である一方、雨の日には部屋でスケッチや手芸に没頭していた。冒険と静寂、力強さと柔らかさ──。そんな相反する要素の中に、彼は美しさを見出してきた。
絵画、縫製、デザインに親しんできた彼を突き動かしたのは、「まだこの世に存在しない何かを創りたい」という純粋な創作意欲。その情熱が、快適さとデザイン性を同時に満たすラグジュアリールームウエアという形で結実したのが「KONTERFEIT」なのである。