クロシェとは、フランス語「crochet(かぎ針・かぎ針編み)」に由来する伝統的な編み物技法で、専用のかぎ針を用いて創作される。そんなクロシェを使い、5mm以下の編み物を紡いでいるのが彼女である。
彼女の作品は、わずか1.5mmのアヒルや、マッチの先に乗るフクロウなど、小さな世界に大きな楽しさと驚きをもたらしている。興味深いことに、実は日本製のかぎ針を使い、日本の歴史や書物からも着想を得ているという。
そんな彼女に作家としての目覚めから作品に込める想い、今後の展望について伺った。
PROFILE|プロフィール
ルチア・ドルゴポロヴァ(Lucia Dolgopolova)
芸術家の両親を影響を受け、クロシェ作家の道へ
ルチアが日本製のかぎ針に出会ったのは約10年前のこと。芸術家の両親のもとに生まれ、幼少期から芸術や工芸に関心を寄せ、音楽にも親しみを持ちチェロを長く学んできた。その中で特に夢中になったのが、母が教えてくれた編み物だったという。
「編み物は幼い頃からの趣味でした。洋服を編んだり、アクセサリーをデザインしたりするのが大好きで、自分で編んだテディベアやミニチュアのかぎ針編みのおもちゃは、私にとってまるで妖精のような存在でした。一緒に遊び、想像の世界を広げていったのです。