ファッションアイテムの小物として、バッグや靴に並ぶものとして帽子がある。ところが、すべての人が日々のファッションに取り入れてるわけではない。帽子の跡が気になる人もいれば、セットした髪が崩れるのを懸念する人もいる。中には、そもそも帽子が似合わないという人もいるはずだ。
そういった人たちに待ったをかけるのが、100年以上続く帽子メーカーが新たに立ち上げたブランド「
O/EIGHTH(オーエイス)」。同ブランドは顔のかたちを4パターンに分け、それぞれに適したデザインの帽子を製作し、ファッションアイテムとしての帽子を広めようとしている。
今回、同ブランドのマネージャーである宮嵜利樹さんと、デザイナーの遅塚亜希子さんに、ブランドを立ち上げた狙いと「O/EIGHT」の帽子が誰にでも似合う秘密を伺った。
帽子が苦手な人に届いてほしい
ブランドを立ち上げた経緯を教えてください。
宮嵜弊社は、100年以上続く帽子メーカーです。社長が交代し、新たなターゲット層にアプローチする目的から、2022年に「O/EIGHTH」というブランドを立ち上げました。
これまでさまざまな帽子を扱ってきましたが、より多くの人に似合うファッションアイテムになるような帽子をデザインしています。
宮嵜「O/EIGHTH」は囲碁の傍目八目(おかめはちもく)に由来します。対局している当人よりも、観客のほうが8手先を読めるという意味です。つまり、周りの人のほうが客観的に状況を把握できるんですね。
帽子も同じで、かぶっている自分を見慣れていないから帽子が苦手だと言っている方もいるのかなと思っています。接客していると、こんなにも似合っているのにと思うお客さんは多いです。
似合う帽子を考案するから「ハットラボラトリー」という立ち位置を掲げているのですか。
宮嵜この名称は、ひとりのデザイナーが立ち上げたブランドではなく、大学や企業の研究室のようにチームで帽子をつくっていくというニュアンスを込めたものです。
靴やバッグと比較しても、これほど苦手意識があるファッションアイテムは他にないと思います。好きな人はコレクションにするくらい買い集めますが、苦手な人は1つも持っていません。
そういう抵抗感がある人に我々のブランドが届いてほしいですし、より洗練されたデザインの帽子を探している人にもぴったりだと思います。
「O/EIGHTH」のロゴや顔のパターンのデザインも美しいですね。
遅塚お客様にお渡しする帽子箱にもこだわりがあります。
天面には碁盤を印字し、ブランドのコンセプトを前面に出しました。帽子箱はあくまでも保管の役割が主ですが、より愛着を持ってほしかったので、スタイリッシュになるよう手掛けました。