Fashion Tech News symbol
Fashion Tech News logo
2023.11.06

「OPT apparel」が叶える、性別にとらわれないファッションの自由

どんな自分でも、ファッションは楽しみたいもの。しかし、トランス男性やノンバイナリー、マスキュリンな服装を好む人にとっては、自分にぴったりの服を見つけることは容易ではない。
そんな願いを叶えるブランドがある。株式会社ReboltOPT apparelは、トランス男性・ノンバイナリー・マスキュリンなファッションが自分に合うと感じる人のためのアパレルブランドだ。「自分にフィットする最高の1枚から始めよう」をコンセプトにするOPT apparelは、性別にとらわれないファッションの自由を実現するために、さまざまな工夫を凝らしている。
さらに、上記のような人たちのためのコミュニティとしても機能しているOPT apparelのウェブサイトでは、ユーザーの声を集め、それを商品開発やマーケティングに反映している。
株式会社Reboltのファウンダーである下山田さんと内山さんは、次のように話す。
「私たちは、誰もが自分らしくファッションを楽しむことができる社会を実現したいと思っています。OPT apparelは、その一歩を踏み出すためのブランドです」

“存在しない”とされているのであれば、つくってしまおう

まずはアパレルブランド・OPT apparelがどのように始まったのか、教えていただけますか?
下山田当ブランドのファウンダーである内山と私は、生まれたときに女性として性を割り当てられたノンバイナリー・トランス男性です。2人とも、普段はメンズカテゴリーの衣類を購入・着用していますが、着たいと思った衣類が自分の身体に合わない経験をたくさんしてきました。
たとえば、内山は身長が158cmなのですが、メンズのXSサイズでも着丈が長かったり、肩や腕の長さが合わなかったりします。私は、腰回りの太さと曲線的なラインがコンプレックスなのですが、メンズのズボンは腰回りに合わせると着丈が長く、着丈に合わせると細すぎてはけないことが日常茶飯事としてありました。
下山田OPTは、2021年にアンダーウエアラインからスタートしており、生理のときにはくことができるメンズボクサーパンツ『吸収型ボクサーパンツ』の販売をしています。
吸収型ボクサーパンツのユーザーさんにはトランス男性の方やノンバイナリー、マスキュリンなファッションが自分に合うと感じる人たちが多いのですが、その人たちにヒアリングを実施したところ「日常的に着る衣類における妥協」の声がたくさん挙がってきました。
他のブランドからすれば“つくる必要がない”と思われている、つまりは私たちは“存在しない”とされているのであれば、自分たちでつくってしまおうと決め、OPT apparelがスタートしています。
OPT apparelを立ち上げるにあたって、その存在意義やスタンスについて教えてください。
内山私たちが生み出すものが、私たちのコミュニティにとっての「自分にフィットする最高の1枚」になれているのか、を強く意識しています。
昨今では“ジェンダーレス”をうたうブランドも増えてきていますが、そのほとんどは「みんなが着られるもの」を意識しており「自分にフィットする1枚」とは違うと感じることがあります。
シスジェンダーの人たちが自分にフィットする洋服がどこかにあると信じて疑わないように、私たちも自分の身体にフィットする洋服があると信じて買い物をしたいだけ。それが叶っていない現状を解決することが、私たちOPT apparelの使命だと思います。
なので、商品開発の際は、実際にコミュニティの皆さんに試着してもらって良いところや気になるところに関してのご意見やアイディアをいただき、着丈や肩幅といったサイズ感から、曲線的か直線的かなどのシルエットに至るまで、コミュニティの声を細かく反映させながら商品開発を進めています。
1 / 2 ページ
この記事をシェアする