相反するものをひとつに繋ぎ合わせることで、新しい美が生まれる──。その思想をジュエリーという小さな建築物に落とし込むのが、デンマーク・コペンハーゲン発のブランド「
RAGBAG(ラグバッグ)」である。
幾何学的でありながらも柔らかさを宿し、金属の硬質さと天然石の有機的な輝きを調和させる。そんなコレクションを手にすれば、まるで対立する2つの世界が共鳴し合うかのような感覚に包まれるのだ。
「RAGBAG」のヘッド・オブ・デザイン、レベッカ・C・ニールセンに、その創造の哲学と背景、揺るぎない美学について聞いた。
PROFILE|プロフィール

レベッカ・C・ニールセン(Rebekka C. Nielsen)
5人のクリエイターによる「異なる要素の融合」
2020年、デンマーク・コペンハーゲンで創設されたジュエリーブランド「RAGBAG」。ファッション業界出身の5人のクリエイターが集まり、それぞれのバックグラウンドを生かして生まれたブランドは、その名が象徴するように“異なる要素の融合”を出発点としている。伝統的な工芸技法と現代的な技術、そしてミニマリズムな北欧デザインを融合させ、構造物の中に柔らかさを宿し、伝統を重んじながら実験性のあるアプローチを施すといった相容れないコントラストを調和させることで、独自の美学を確立している。