2013年にオバマ前大統領が演説でモノづくりの可能性を示してから、一気に関心が集まった3Dプリンター。今では産業界だけではなく、一般層にまで広まり、世界のモノづくりは新しい時代に突入したともいえるだろう。
その最新技術でクリエイティブに取り組んでいるのが「
ritsu(リツ)」である。ritsuは、2021年に
株式会社日南が展開するアパレルブランドとして誕生した。
試作品事業に用いる3Dプリンターを駆使したアクセサリーをはじめ、ritsuの抽象画に溶け込むような美しいデザインは、工業製品で培った日南の技術がベースにあることに驚かされる。
では、日南の技術力とritsuは、どのようにしてクリエイティブを展開してきたのだろうか。今回はritsuブランドディレクターの堀江りつさんにお話を伺った。
日南の技術力とアパレルの出会い
工業製品とアパレルは、同じモノづくりでありながら一見異なるジャンルのように思えるが、ritsuにとって日南の技術は不可欠な存在だ。日南は自動車やロボットなどの工業製品の試作品製造を担う開発支援企業として、さまざまなメーカー企業の製品開発をサポートしている。
「私たち日南は、自動車メーカーやオーディオメーカーなど、各業界のメーカーが開発段階で必要とするさまざまな試作品の製作を通じて開発支援を行っている企業です。