2017年、エレナ・ザイムによって設立されたロンドン発のブランド「
Selezza(セレッツァ)」。詩的でタイムレスなシルエット、繊細なチュールやレースを駆使したデザインは、フォーマルな装いにモダンなひねりを加える。
このブランドの使命は、「すべての瞬間を魔法で彩ること」。ファッションを、「何を着るか(what you wear)」ではなく「どう感じるか(how you feel)」の問題と捉え、特別なイベントはもちろん、日常を非凡な瞬間に変えたいと願うすべての瞬間を祝福する。
今回、創設者エレナの言葉を手がかりに、ブランドが生まれた背景から彼女の哲学、制作の舞台裏、そして未来のヴィジョンまでを紐解いていく。
PROFILE|プロフィール

エレナ・ザイム(Elena Zaim)
Selezza 創設者兼クリエイティブ・ディレクター
新天地で始まった自己発見の旅
ひとつのブランドの誕生は、創設者の自己発見の旅そのものだった。エレナが築いた「Selezza」は、彼女自身の物語の結晶だ。幼少期から舞踏の世界に身を置き、母が手作りする衣装の動きや、身体と布が対話するかのような感覚の中で育った。彼女にとって、15歳で初めてデザインした社交ダンスのドレスは、運命のプロローグとなる。
「服をデザインすることは、私の言葉。世界とコミュニケーションをとるための手段なのです」と語る彼女の哲学は、ブランドの核として今も息づいている。