エッジの効いた新進ブランドが数多く参加する「ベルリン・ファッション・ウィーク」でもっとも勢いを感じるのが「
SF1OG(エスエフワンオージー)」だ。ブランドを特徴づけるのは、アンティーク素材と現代的感性を融合させたジェンダーレスなスタイル。そのアイテムは、ノスタルジックでありながら、どこか若々しくクールな雰囲気が漂う。
設立当初は一点もの中心だったが、近年はデッドストック素材などを活用した商品も展開し、アジアやアメリカに販路を拡大。日本では、今年の春夏からレイビームス(Ray BEAMS)で取り扱いがスタートしており、秋冬には渋谷のセレクトショップにも並ぶ予定だ。
クリエイションを手掛けるローザ・マルガ・ダールローザとブランド運営を担うヤコブ・ラングメイヤーに、ベルリン北部に構えるスタジオで話を聞いた。
PROFILE|プロフィール

右:ローザ・マルガ・ダール(Rosa Marga Dahl)/左:ヤコブ・ラングメイヤー(Jacob Langemeyer)
ローザ・マルガ・ダール(Rosa Marga Dahl)
SF1OG共同設立者兼クリエイティブ・ディレクター
1998年ドイツ出身。ベルリン技術経済大学でファッションデザインを専攻。在学中の2019年にパーソナルなプロジェクトとして「SF1OG」を始動。2021年に正式にブランド化した。
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ヤコブ・ラングメイヤー(Jacob Langemeyer)
SF1OG共同設立者兼コマーシャル・ディレクター
1997年ドイツ出身。ベルリン工科大学で産業エンジニアリングを学んだ後、2020年からベルリンのAMD(アカデミー・モード&デザイン)でファッション&デザイン・マネジメントを学んでいる。ローザとは高校時代からの友人で、2021年に「SF1OG」をブランドとしてスタートする際に参画。マーケティングや財務、生産管理、セールスなどを担う。
常に変わらないのは、ノスタルジアへの憧れ
まず、「SF1OG」を設立したきっかけを教えてください。
ローザベルリンの大学でファッションデザインを学んでいた2019年、自分が勉強していることに迷いを感じていたんです。そこで表現のはけ口や自分のビジョンの実験として、自宅のアパートで洋服の制作を始め、Instagramに投稿するようになりました。