晴雨兼用傘のニーズが高まっている。これから迎える梅雨の雨傘需要に加え、夏の酷暑や春・秋の強い日差しへの対策として、年間を通じて傘の出番が増えているからだ。
では、数ある晴雨兼用傘のなかから、自分に合う一本をどう選べばいいのか。性能、見た目、価格――何を重視すべきか迷う人も多いだろう。
そこで話を聞いたのは、“傘の魅力を広く伝える傘ソムリエ”としてメディアでも注目される
土屋博勇喜さん。傘に惚れ込み、これまでに250本以上を自腹でコレクションしてきた人物で、自ら雨風のなかで性能テストを行うなど、妥協なき傘の目利きとして知られている。そんな土屋さんに、選ぶべき一本の見極め方を教えてもらった。
PROFILE|プロフィール

土屋 博勇喜(つちや ひろゆき)
22歳から大手ホームセンターでレイングッズを担当。様々なメーカーの傘に触れ、つくり手のこだわりや機能性、美しいフォルムに魅了され傘の虜となる。2019年、株式会社シューズセレクション(現ウォーターフロント)へ入社し、仕入れ・売り場作りの責任者に。傘の魅力を広く伝える世界初の「傘ソムリエ」として活動を行う。
本当に“日差しから守る傘”を見分ける基準とは
まず最新の晴雨兼用傘の基本スペックを教えてください。
UVカット率が99.9%以上で、遮光率も99.99%以上というのが標準化されています。そこに遮熱と撥水機能がつきますね。100%という表示を見かけることもありますが。
それは、あくまでも傘になる前の生地性能の検査値です。傘には縫い目があるため、製品として仕上がったものはどうしても100%にはなりません。「遮光率100%生地使用」や、「生地単体の検査であって傘本体の性能数値ではありません」というような注意事項が載っているはずです。