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2024.10.29

オランダ発ラグジュアリーブランド「ワンドラー」: 世界が注目する革新的レザーグッズの誕生

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文化や芸術の中心地としても名高い、オランダの首都アムステルダム。歴史的にはゴッホやフェルメールといった芸術家を輩出し、ヨーロッパ最大級の音楽フェスティバルが開催されるこの都市の、リベラルな文化に惹かれて移住するアーティストは少なくない。
ファッションにおいても創造性に富み、実験的なクリエイションを骨幹とするブランドが業界で注目を集めている。そんな中で、オランダ発のレザーグッズブランドとして最も世界に知られているのが「ワンドラー(Wandler)」だ。
デザイン性と実用性を兼ね備え、モダンアートを思わせる彫刻的なシェイプを特徴とするバッグを生み出している。シグネチャーである“ホルテンシア”や“ペネロペ”は、アムステルダムやパリの街中、そしてファッション業界人が集結するファッション・ウィークでも愛用者を見かける。
上質なレザーと細部までこだわった品質、トレンドに左右されることのない美しい佇まい。デザイナーであり、ブランドを率いる実業家でもあるエルザに、業界内外でファンを増やす「ワンドラー」の誕生から製作背景、美学について聞いた。
PROFILE|プロフィール
エルザ・ワンドラー(Elza Wandler)
エルザ・ワンドラー(Elza Wandler)

「ワンドラー」設立者兼デザイナー
アムステルダム・ファッション・インスティテュートのファッション&ブランディングコース卒業。2012年から「リーバイス」のプレミアムライン「Made and Crafted」のウィメンズ・デザイナーとして経験を積む。クリエイティブデザインと商業性のバランスを見つけるための基盤を築き、2017年に自身の名を冠したブランド「ワンドラー」を設立。

1年で“ブランドの構築と危機管理”の特訓を受けた

新たなアイコンバッグの仲間入りを果たした"ミア・ショッパー”
新たなアイコンバッグの仲間入りを果たした"ミア・ショッパー”
自身のブランド「ワンドラー」設立に至った最大の動機は?
自分自身で何かを始めたいという気持ちは常に持っていました。そして、十分な経験を積んだ後、自分の名前でデザインをする準備ができたと感じていました。物事がうまく重なるタイミングこそ重要だと思っています。
きっかけは、友人とのディナーで出会った営業担当のバート・ラマカース(Bart Ramakers)との会話でした。私がバッグラインのアイデアについて話していると、彼が『6週間でコレクションを用意できる?』と聞いてきたのです。
そして2ヶ月後にブランドを立ち上げました。サンプルコレクションを展示し、国際的な有力バイヤーを招待して、誰かが私のデザインに賭けてくれることを期待していました。翌日、バートから『信じられないかもしれないけど、全員が買いたいと言っている』と電話があったのです。
バッグから始めたのは、洗練されつつも大胆なデザインのバランスが取れたバッグを提供するブランドがあまりないと感じたからです。非常にフェミニンでありながら、クリーンでジェンダーレスなデザインの絶妙なバランスを作り出すことに興味を持ち、それを楽しんでいます。バッグは彫刻的な要素も持っていて、そこにも惹かれました。
アーティストとともに世界観を作り込んだ、没入型のインスタレーションによるプレゼンテーションで新コレクションを発表。STUDIO FABIUS CLOVISが手掛けたオブジェの有機的なラインが、「ワ�ンドラー」の作品と共鳴する
アーティストとともに世界観を作り込んだ、没入型のインスタレーションによるプレゼンテーションで新コレクションを発表。STUDIO FABIUS CLOVISが手掛けたオブジェの有機的なラインが、「ワンドラー」の作品と共鳴する
ブランド設立前のキャリアで得た、最も重要な学びは何でしたか?
他のブランドでデザイナーとして働いていた時、コレクションのマーチャンダイジングや健全な利益率の構築、コレクション全体のデザイン、セールスチームとの密な連携方法を学びました。素材や製造業者のリサーチにも役立ち、「ワンドラー」を立ち上げた時には、ブランドを始めるための準備が万全でした。
「ワンドラー」の美学を、どのように表現していますか?
「ワンドラー」はモダンな女性らしさを体現しており、デザインは機能性とエレガンスを兼ね備え、女性のスタイルを引き立てるように作られています。オランダは自転車文化のため、、オランダ人である私のデザインには自然と機能性が反映されています。
「ワンドラー」は、エレガントでありながらエレガントであるながらダイナミックな色使いが特徴的です。色は私のコレクションデザインにおいて非常に重要な役割を果たしており、毎回、極めてフェミニンでありながらクリーンなジェンダーレスのバランスを追求し、挑戦し続けています。
プレゼンテーション会場は、アムステルダムを拠点とするフラワースタジオRae Bloomsによる、苔の風景画で自然とのつながりを誘う
プレゼンテーション会場は、アムステルダムを拠点とするフラワースタジオRae Bloomsによる、苔の風景画で自然とのつながりを誘う
設立から7年で、最も挑戦的だったことは?
パンデミックは、多くの企業にとって困難な時間となりました。透明性とコミュニケーションが、それを乗り越えるための鍵となりました。パンデミックが始まった当初は、新しい日常に適応するのが難しかったのですが、直感的なデザインと方向性のおかげで、「ワンドラー」は進化し続け、ブランドをさらに発展させることができました。
創業からわずか3年のブランドにとって非常に厳しい時期でしたが、その間、“ブランドの構築と危機管理”の特訓を受けたように感じています。チームとして乗り越えたことで、とても力強い気持ちになり、どんな未来でも乗り越えられるという自信がつきました。
“ホルテンシア”バッグは、丸みを帯びたフォルムにトラペーズのディテールが施されている。新作として、クロコダイル型押しの自然を思わせるグリーンが加わった
“ホルテンシア”バッグは、丸みを帯びたフォルムにトラペーズのディテールが施されている。新作として、クロコダイル型押しの自然を思わせるグリーンが加わった
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