z-emotion(ゼット・エモーション)は、ファッション業界のDXを支援する目的のもと、3D衣服シミュレーション技術を提供する韓国IT企業だ。同社の強みである強力な3D衣服シミュレーションエンジン、レンダリングのスピードと高い再現性、さらにアバターを始めとする豊富な3Dアセットは、同社が提供する3DCAD「z-weave」、バーチャル試着プラグイン「z-fit」を通じて製品化され、アパレル企業とそのサプライチェーンのDXを支援している。 今回、同社のCEO、Dongsoo Han(ドンスー・ハン)氏にメールインタビューを行った。
PROFILE|プロフィール
Dongsoo Han(ドンスー・ハン)
z-emotionの創業者、CEO。米ペンシルバニア大学コンピュータサイエンス修士。3Dシミュレーションとゲーム業界での25年以上の経験があり、現在最も活発な3Dシミュレーションエンジニアの1人。前職AMDのGPU Tech Initiative Groupでソフトエンジニア兼研究員時代から研究を開始した。AMDでは、GPUアクセラレーションを用いた剛体、布、髪、ガラスなどの物理シミュレーションのリアルタイム処理を中心に研究。さらに開発したヘアシミュレーション技術は、TressFXの主要な技術であり、Tomb Raiderゲームなどで使用されており、ビデオゲームで初めてプレイアブルな毛髪シミュレーションとなった。GPU Pro 5、GPU Pro 360の著者。
デジタル・トランスフォーメーションの後押し
Dongsoo氏はz-emotion創業以前から3Dシミュレーションの研究に従事していた。彼自身が初めて設立したスタートアップZelusFXでは、3Dシミュレーションの知識を応用したアバターシステムZelusエンジンを開発、現在のz-emotionのアバター技術のコア技術開発を行っていたという。さらに前職のAMD時代には、3Dの世界では糸の動きが髪の束に似ていることから、衣服のシミュレーションと髪の毛の動きの関連性を見出した。