「鉄黒(てつぐろ )」「黒橡(くろつるばみ)」「呂色(ろいろ)」ーーひと口に「黒」といってもじつにさまざまな種類の黒が存在し、一説にはおよそ300にも及ぶという。
そんな深淵なる黒の世界で
三陽商会が目指したのは黒の中の黒だ。
三陽商会が探し求めた“真の黒”はどのようにして実現したのか? 今回の企画を先導した嶋﨑浩二さんがその全容を語る。
PROFILE|プロフィール
嶋﨑 浩二(しまさき こうじ)
株式会社三陽商会 執行役員 事業統轄本部 事業本部 企画担当
商品開発委員会から生まれたアイデア
黒は現代ファッションにおける定番カラーのひとつです。この色に注目した理由を教えてください。
三陽商会には、市場に支持される価値のある商品を開発することを目的とした商品開発委員会という全社横断プロジェクトがあります。定期的に各ブランドの責任者たちが生地や商品のサンプルを持ち寄って企画会議を行っているのですが、どのブランドも黒を取り上げた回があったんです。
ただ、黒とはいっても、白っぽいものから赤っぽいものなど、さまざまな種類があります。「本当の黒は一体どんなものか?」という疑問から検討を重ね、黒の中の真の黒を目指す、という意味を込めて、「BLACK OF BLACKs」のコレクションが始動しました。