ゴールを守る最後の砦。サッカーにおいて手でボールを扱える唯一の存在であり、非常に特殊なポジションであるゴールキーパー。他のフィールドプレーヤーと比較すると、求められる資質、必要な能力もかなり異なるからこそ、道具に求める機能も個性的であるはずだ。
近年は、戦術の進化もあり、足元の高い技術も不可欠なゴールキーパーだが、トップレベルの選手たちは、スパイクやグローブに何を求めているのだろうか。INAC(アイナック)神戸レオネッサ所属で女子サッカー日本代表(なでしこジャパン)の山下杏也加選手と、浦和レッズ所属で男子サッカー元日本代表の西川周作選手の対談から探っていこう。
西川周作(以下、西川)はじめまして。今日はよろしくお願いします! 去年の話になりますが、WEリーグの初代MVP、凄いですよね。ゴールキーパーの価値を高めてくれてありがとうございます。僕もMVPには憧れがありますし、現役中は目指してやっていきたいと思っています。
山下杏也加(以下、山下)ありがとうございます! 西川選手のキック精度、シュートストップには本当に憧れていて。間近で見る機会がある、浦和レッズレディースの選手たちが羨ましいなと思っていたんです。世界の舞台で戦うとき、高いボールを蹴ると体格の差もあって、前の選手たちが競り合いで勝てないことがあります。西川選手のような、低い弾道で速いボールを前線にフィードできるようになりたいですね。高いパフォーマンスやモチベーションを長く維持するコツを伺ってもいいですか?