日々、最先端 の技術を生み出し続けている
東レ株式会社。その東レ発のスピンオフベンチャーとして現在話題を呼んでいるのが、「届かぬかも知れぬ夢を追いかける馬鹿者たち」を意味するプロジェクト「
MOONRAKERS(ムーンレイカーズ)」だ。そこには、社会や産業を改革するためには常識に囚われてはいけないという思いがこめられている。
彼らの展開する商品の中で、現在多くのブランドや企業が注目しているのが「MOON-TECH®(ムーンテック)」。これでもかというくらい機能を盛りこんだTシャツで、東レはもちろんJAXA(宇宙航空研究開発機構)や小松マテーレといった日本が誇る技術系企業の先端技術が集結している。
突き抜けたモノづくりから大企業スピンオフという会社形態まで、彼らの事業はとにかく異端でユニークだ。そこで今回、同社の代表である西田誠さんにお話を伺い、モノづくりはもちろん、スタートアップ企業としてのあり方まで、幅広くお話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
西田 誠(にしだ まこと)
東レ発のスピンオフベンチャー、MOONRAKERS TECHNOLOGIES株式会社 代表取締役社長
東レ入社後、素材開発に携わり20代で当時の先端素材フリースでの新事業に挑戦。ユニクロへの飛びこみ営業で超大型契約を締結するという大きな成果を達成。2度目の新事業も先端素材を使用した縫製品ODM事業を立案。7年で50億円規模に事業を拡大するという成功を収めた。その後、3度目の新事業でも先端素材をベースに東レで前例のないD2Cビジネス、プロジェクト「MOONRAKERS」に挑戦し事業立ち上げに成功。 2023年にさらなる発展を目指して事業をスピンオフし独立起業。
プロジェクト発足のきっかけを教えてください。
問題意識は大きく2つありました。ひとつは、先端技術が失われることへの危機感です。日本の素材開発技術は世界でも真似できないクオリティを持ちます。