2008年の初登場以来、老若男女を問わず長く支持され続けているのが、
無印良品の「
軽量ダウンポケッタブルノーカラーベスト」だ。ロングセラーの背景には、時代に合わせた改良と、技術の積み重ねがある。今回は、このヒット商品の現在地を探るべく、商品開発に携わる黒田裕生さんと岡田桃子さんに話を聞いた。
PROFILE|プロフィール
黒田 裕生(くろだ ゆうき)
株式会社良品計画
衣服・雑貨部 紳士アウタートップス担当
PROFILE|プロフィール
岡田 桃子(おかだ ももこ)
株式会社良品計画
衣服・雑貨部 婦人アウタートップス担当
今でこそ一般的になったインナーダウンだが、本商品の発売当初はアウトドアやスポーツブランドの商品が中心で、日常着としての提案はほとんどなかった。
「当時は生地がツルツル・ピカピカのものばかりで、日常では使いにくいものが多かった印象があります。そこでアウトドアアイテムに着想は得ながらも、軽量でコンパクト、そして普段着として取り入れやすいものを作ろうと考えました」(黒田さん)
「紳士 軽量ダウンポケッタブルノーカラーベスト」4,990円(税込)マットな質感とベーシックなカラー展開、そして750フィルパワーの高品質ダウンによる膨らみと軽さを両立した。小さく収納できるポケッタブル仕様を採用したことで、これまでにない新しいタイプの防寒具として注目を集めた。
「朝晩が冷える季節の変わり目や、旅行や出張のときにバッグに入れておくと本当に便利なんです」と黒田さんは話す。
ポケットに押し込むだけ。ユーザーの声から生まれた新仕様
ポケッタブルアイテムといえば、外袋に収納するのが一般的だ。しかしユーザーから寄せられたのは、「畳むのが大変」「袋をなくしてしまう」という声だった。そこで2023年にポケッタブルの方法を大きくリニューアルした。